臨床指標

7)感染管理

7)-1  黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合 43.5% 44.7% 37.4% 41.9%
解説
 培養検体から検出された黄色ブドウ球菌のうち、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の占める割合を表す数値です。MRSAは抗生物質が効きにくく、院内感染の原因菌として注目されています。院内感染対策をしっかりすればするほど数値が低下傾向になるとともに、他の耐性菌の発生率も下がると言われています。
 当院の数値は、※参考値(46%)より低値でしたが、ほぼ横ばい状態が続いています。検出されたものの多くは、入院時の検査で検出されている症例が多いことから、入院時からの対応についても注意していく必要があります。幸い当院ではMRSAのアウトブレイクを疑う事例は発生していません。引き続き入院早期からの検査・対応を行って行きます。

算出方法
 MRSAが検出された検体数/MRSAを含む黄色ブドウ球菌が検出された検体数

※参考値  院内感染対策サーベイランス事業JANIS 公開データより 200床以上の病院のデータから算出

7)-2  血液培養の2セット採取率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
2セット採取率 91.4% 89.6% 79.0% 89.2%
解説
 この指標は、細菌培養検査のための血液採取のうち、複数セット採取した割合を示しています。
 重症感染症では、細菌が血液中にいる状態(敗血症)を伴うことが少なくありませんが、単回の血液培養検査では、陽性率が余り高くないことが難点です。
 血液培養を複数セット採取することで、菌の検出率が向上し、起因菌(感染症の原因となる細菌)特定の信頼度が増加します。起因菌の早期の特定は、適正な抗生剤の選択と治療成績の改善に結びつきます。当院では抗生剤使用前に血液培養検査を行う場合は、2セット採取することを推奨しており、その施行率はここ数年は横ばいです。さらに向上するよう努力しています。

算出方法
 血液培養2セット採取数/血液培養全採取セット数(小児科を除く)

7)-3  職員のインフルエンザワクチン予防接種率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
職員数 1,017 1,011 1,037 1,082
接種人数 904 915 928 1,006
接種率 88.9% 90.5% 89.5% 93.0%
解説
 免疫力が低下した患者さんが多い病院において、職員のインフルエンザワクチン接種の実施は、職員のインフルエンザ罹患を減少させ、患者さんへの二次感染を防ぐための重要な取り組みです。罹患した職員が増えると、病院機能自体が低下し結果として患者さんの安全が脅かされます。このような意味で、多くの職員にインフルエンザワクチン予防接種を受けることを推奨しています。
 当院の予防接種率は90%前後であり、近隣の同規模病院とほぼ同程度の値で推移しています。
 
算出方法
 予防接種人数/職員数