臨床指標

1)病院概要

1)-1  三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)入院患者数

       
  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
がん(全体) 2,164 2,354 2,427 2,608
  胃がん 172 166 160 142
  大腸がん 239 251 306 308
  乳がん 73 79 99 61
  肺がん 255 275 281 306
  肝がん 152 128 105 105
  脳卒中 366 364 344 371
急性心筋梗塞 96 77 88 74
解説
当院に三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で入院された患者さんの数を表しています。

1.がん
 当院で令和2年度に入院治療を行った全がん患者数は2,608人です。ここ数年増加傾向です。  我が国のがんの中で患者数の多いもの、すなわち胃、大腸、乳房、肺、肝臓のがんを5大がんと呼びます。全体での罹患患者数の推移をみると、大腸がんは増加傾向にあり、胃がん・乳がん・肺がんは横ばい、肝がんは減少傾向にあります。
 高齢化が進むなか、当院は内科系診療科が充実しているので、様々な併存疾患(心・腎・肺疾患、糖尿病など)を持つがん患者さんに対する手術などの治療を安全に行うことが可能です。
2.脳卒中
 高齢化が進む我が国では脳卒中患者が多く厚労省の平成26年度調査でも118万人と推計されています。ここ数年、医療の進展等に伴い、脳卒中患者は減少しています。
 当院においては、虚血性の脳卒中(脳梗塞)は脳神経内科で、出血性の場合(脳内出血)は脳神経外科で診療を行っていますが、いずれの場合も急性期の検査から治療へと至る速やかな対応が重要であり、他部署との連携の下に24時間体制で診療に当たっています。また、必要な場合には両科の脳血管内治療医による専門的治療(カテーテル治療)を行う体制も整えています。急性期の検査や治療が進歩した一方で、身体機能の障害を残す例も依然として多いため、予防治療やリハビリ病院との連携促進にも取り組んでいます。
3.急性心筋梗塞
 急性心筋梗塞は冠動脈病変が不安定化した結果、冠動脈閉塞を来し、心筋壊死に至る疾患です。動脈硬化病変の危険因子として、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、加齢などが挙げられますが、近年、脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症など)の抑制を目指し、これら危険因子を積極的に管理することが推奨されています。その結果、わが国における急性心筋梗塞発症患者数はここ数年減少傾向をたどっており、当院の急性心筋梗塞患者数の推移に関しても横ばいの状態です。

1)-2  1日平均外来患者数・入院患者数

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
1日平均外来患者数 871.7 891.1 924.6 864.4
1日平均入院患者数 456.9 453.5 458.7 438.0
  • 1日平均外来患者数
  • 1日平均入院患者数
解説
 外来:1日当たり平均して何人の患者さんが外来を受診しているかを示す数値です。当院は38の診療科を有する総合病院であり、令和2年度は1日平均864人の患者さんが来院しました。
 入院:1日当たり平均して何人の患者さんが入院しているかを示す数値です。令和2年度は1日平均438人の患者さんが入院しており、当院の病床数511床の86.7%が利用されていた状況です。
 1)-4の「病床利用率」もご参照下さい。
 
算出方法
 1日平均外来患者数=外来患者延べ人数/診療実日数
 1日平均入院患者数=入院患者延べ日数/暦日数

1)-3  平均在院日数

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
平均在院日数 11.9日 11.0日 10.5日 10.4日
解説
 入院患者さんが平均して何日間入院しているかを示す数値です。
 患者さんの重症度や疾病によって入院日数に違いがありますので、単純に評価することはできません。当院では、急性期病院として入院治療を要する急性疾患の患者さんをより多く受け入れるために、入院早期からの退院調整や地域医療機関との連携などを通じて平均在院日数の短縮に努めています。
 平成29年度以降、当院の平均在院日数は年々短縮傾向にあります。
 
算出方法
 入院患者延べ数/{(新入院患者数+退院患者数)/2}
(短期滞在手術基本料3に該当する患者を除く)

1)-4  病床利用率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
病床利用率 90.8% 89.7% 90.8% 86.7%
解説
 病院のベッドがどれだけ利用されているかを示す数値であり、病床利用率が高いほど多くの患者さんが入院していることになります。急性期病院においては、救急患者さんの受け入れのためのベッドを常に確保しておく必要があります。当院では、92~95%の利用率を目標に、ベッドコントロールナースを配置し、適正な病床管理に努めています。令和2年度の病床利用率は86.7%でした。
 
算出方法
 1日平均入院患者数/稼働病床数

1)-5  退院後6週間以内の緊急再入院率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
退院患者数 13,395 14,164 15,138 14,589
緊急再入院患者数 527 685 704 755
緊急再入院率 3.9% 4.8% 4.7% 5.2%

 
解説
 この指標は、退院した患者さんの中で、退院後6週間(42日)以内に予定外の再入院になった割合を示しています。前回の入院における治療が不十分であった可能性なども考えられるため、緊急再入院率は入院管理の適切度を評価する指標の一つとなります。当院が算出している割合には、新たな病気の出現や、慢性疾患の急性増悪の症例も含まれます。同じ疾患で再入院となった症例に限定すると2.7%となり、全国の赤十字病院の平均値3.6%を下回っています。
 
算出方法
 予定外・救急医療入院のうち、 入院日が前回退院年月日から42日以内の患者数 / 退院患者数

1)-6  クリニカルパス使用率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
退院患者数 13,804 14,605 15,536 15,713
クリニカルパス使用数 6,504 6,781 8,022 8,171
使用率 47.1% 46.4% 51.6% 52.0%
解説
 この指標は、入院した患者さんのうちクリニカルパスを使用した割合を示しています。
 クリニカルパスとは、標準的な治療を行うための疾患ごとに作成された診療手順であり、治療や処置、検査、看護などの診療内容をスケジュール表にしたものです。疾患ごとにゴールを決めて、十分なケアを効率よく行うための管理方法です。クリニカルパスの使用率は、チーム医療の実践や診療の標準化を評価する指標となります。
 重症患者さんの場合などは、病状が一定ではないためクリニカルパスの使用が難しくなりますが、多くの予定入院患者さんにはクリニカルパスを使用しています。当院のクリニカルパス使用率は年々高くなっており、入院診療の質が向上していることを示しています。
 
算出方法
 クリニカルパスを使用した患者数 / 退院患者数
※他指標はDPCデータから算出しておりますが、本指標につきましてはDPC症例以外も含む全症例を対象に算出しております。そのため、退院患者数が他指標と異なります。

1)-7  退院患者死亡率

  平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
退院数 13,395 14,164 15,138 14,589
死亡数 251 267 315 283
死亡率 1.9% 1.9% 2.1% 1.9%
解説
 この指標は、退院患者さんのうち死亡退院となった患者さんの率を表しています。当院の数値は2%前後で推移しております。
 (病院の特徴や患者状況に差があるため、この数値を医療の質を反映するものとみなすことは注意が必要であり、単純に他病院と比較することはできません。)

算出方法
 死亡退院患者数/退院患者数