福岡赤十字病院は、開設70年余の歴史を刻み、急性期の地域中核病院として地域に根差した役割を果たしています。赤十字は人道を基本原則とし、「人間を救うのは人間だ Our world. Your move.」をスローガンに掲げています。
看護部は、一人ひとりのかけがえのない命に向き合い、地域とつながる看護を目指しています。看護を大切にする看護師を育て、看護専門職として自律し、対象となる方々やその取り巻く状況を統合した看護を提供することに尽力しています。
看護師一人ひとりが自らの強みを見出し、キャリアをデザインできるよう支援しています。キャリア開発ラダーを運用し、ニーズに合わせた継続教育を実施することで、新たな知識・技術の習得や、新しい挑戦に取り組むことにつながります。医療環境がますます多様化・複雑化する中で対応力を高め、看護実践やマネジメント能力を育んでいます。
質の高い看護を届けるため、職種を超え、病院を越え、地域と連携しながらチーム医療を展開しています。地域包括ケアシステムの中での役割を発揮し、患者さんの尊厳を守りつつ、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を推進し、その人らしい人生を支えるケアを実践しています。また、専門看護師、認定看護師、特定行為研修を修了した看護師たちは、チーム医療の中心的な存在として活躍し、看護の力を発揮しています。医療の高度化や超高齢社会の進展に伴い、看護師の役割はますます重要になっています。私たちは、多様な価値観を尊重し、すべての患者さんに寄り添いながら、より良い医療・ケアの提供を目指しています。
看護と赤十字事業の発展を支えるため、救護に関する研修をはじめ、国内外での災害看護や国際救援活動にも積極的に取り組んでいます。災害時や緊急時に迅速かつ適切な看護が提供できるよう、救護員としての知識・技術の向上に努め、創造的な活動を展開しています。また、グローバルな視点を持ち、世界規模で貢献できる看護師の育成にも力を注いでいます。
私たちは、独自の看護提供方式(エリア別ペアナーシング・システム)を導入し、ベッドサイドケアの充実と看護業務の効率化に取り組んでいます。また、パートナーシップマインドを大切にし、職種を超えて協働できる環境を整えています。対話やコミュニケーションを重視し、働きやすく、やりがいのある職場作りを進めるとともに、多様なライフスタイルを尊重し、安心して働き続けられる体制をつくっています。
これからも、赤十字の理念と誇りを大切にした人間性豊かな看護師を育成し、赤十字の看護を継承・発展させていきます。さらに、時代の変化に対応した新たな看護の在り方を模索し続けていく所存です。
2025年4月
看護部長 佐藤 章子