病院概要

院長挨拶バックナンバー

2021年4月

 全世界が新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)で大変な影響を受けています。この感染症は医療現場だけではなく、経済にも極めて大きなダメージを与えています。特効薬がないため、ロックダウンや外出・会食自粛など人々の行動制限により収束させる方法を取らざるを得ません。
 従来通りの方法では十分な収益を確保できない職種やテレワーク中心となったりする仕事が数多く出現しています。このウィルスパンデミックは世の中の在り方を大きく変化させることになりそうです。
 一方、私たちは1年を通しての経験により、ある程度の経済活動をしながらコロナに感染しない生活の仕方も分かってきました。また、ワクチン接種がコロナの発症や重症化を強く抑制するという結果が示されており、日本でも接種開始となりました。当初の予定よりは遅れていますが、年内には希望する多くの国民に接種されるようです。
 変異株の出現など残された問題はあるものの、徐々に明るい陽射しも見えてきました。今年の日本はコロナ禍から抜け出し、私たちにとって明るい年になることが期待されます。
 さて、日本赤十字社は災害救護を積極的に行う使命をもっています。この数年、毎年のように近隣県で豪雨災害が発生しており、当院も日本赤十字社の一員として多くの救護班を派遣して参りました。今年は東日本大震災から10年、熊本地震から5年が経過し、節目となる年です。気持ちを新たにして、いつ災害が発生しても救護に出動できる体制を整えていきたいと考えております。
 昨年の4〜5月は緊急事態宣言により、一般患者さん来院が大幅に減少しました。しかし、6月以降は一昨年とほぼ同じレベルの入院・外来診療を行っております。今年1月からの緊急事態宣言中はコロナ患者さんの入院は急増しましたが、一般患者さんの減少はみられませんでした。地域の基幹病院として、どうにか医療崩壊を起こすことなくコロナ診療と通常診療を両立しながら継続することができました。
 しかし、コロナ禍の経済的ダメージや大規模な補正予算が国の財政を圧迫することは明白です。今後、医療費抑制の方向に舵が切られることも予測されます。厳しい環境下でも健全で安定した病院運営を行い、職員一同、力を合わせて地域の方々に必要とされる医療を提供していきたいと考えております。
 これからも皆様のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。
令和3年4月吉日

福岡赤十字病院
院長 中房祐司

2020年4月

 令和2年4月1日付けで院長に就任いたしました中房祐司です。出身は宮崎県、昭和58年に九州大学医学部を卒業しました。専門領域は外科です。移植医療に興味を持ち、大学卒業後15年程は移植の研究や臨床に携わってきました。その後、消化器外科および乳腺外科の専門医・指導医として診療ならびに後進の指導にあたり、最近は大腸癌、乳癌を主に担当しておりました。
 平成21年4月に外科部長として当院に赴任し、大腸癌、乳癌を診療する傍ら化学療法や緩和医療も担当しました。平成24年10月に副院長に就任し、さまざまな分野の運営・管理業務を経験して参りました。これからは、病院全体の運営・管理を担当する立場となり、身の引き締まる思いです。
 さて、日本の医療界はこれからの高齢化社会に対応すべく、地域医療構想に基づく病床機能の再編が進められようとしています。その一環として公立・公的病院を中心とした400余の病院が統廃合の検討対象病院として発表されました。地方における中小規模の中核病院が数多く含まれており、地域医療の崩壊を招きかねないとの意見も聞かれますが、相応の機能転換は必要と思われます。今回、発表の対象外となった福岡・糸島医療圏でも、時期の差はあるものの、この流れは同じと考えられます。当院も存在意義のある病院と認められるように、社会のニーズに応じた変貌を遂げる覚悟が必要と感じております。
 おかげさまで、地域の皆様の支えにより、当院は大学病院に準ずる内容の医療が提供できるレベルに成長して参りました。これからもさらに高いレベルを目指して病院の質を高めていきたいと考えております。この度、私たち当院職員の気持ちを新たにする目的で、病院理念を「信頼と調和に基づく最良の医療 〜 地域を尊重、世界を視野に」と改訂いたします。安全で高度な医療を提供する体制を整えるとともに、患者さんやご家族から求められる良い医療を目指します。地域住民や近隣の医師との調和を重視し、信頼される安心な医療を提供することを私たちの使命とします。その上で赤十字のもう一つの大切な使命である国内外の医療救援をしっかりと継続していきたいと考えています。
 これからも、皆様のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

令和2年4月吉日
福岡赤十字病院 院長 中房 祐司