臨床指標

5)看護

5)-1  治療を必要とする転倒転落発生率

  令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度
入院患者延べ数 167,887 159,886 160,115 162,628
治療を必要とする転倒転落発生件数レベル3b以上 11 6 12 11
治療を必要とする転倒転落発生率 0.007% 0.004% 0.007% 0.007%
レベル0 7 6 6 11 転倒・転落
のみ
レベル1 134 92 57 46
レベル2 120 134 186 142
レベル3a 28 19 26 30
解説
 レベル3b以上は入院中の転倒や転落で骨折などに対する治療が必要となった患者さんの発生件数と発生率です。
 転倒・転落の原因は入院による環境の変化や病気、治療、手術などによる身体的変化など様々な影響があります。高齢の患者さんでは、より転倒しやすい傾向にあります。また、夜間や排泄行動に伴う転倒が多く発生しています。患者さんへリーフレットを用いて注意点を説明し理解いただくと共に、患者さんと話し合い、生活しやすい環境の調整や援助に努めています。

算出方法
 治療を必要とする転倒転落件数 / 入院延患者数

 

レベルと定義

レベル 定義
レベル0 間違った行為が実施される前に発見され、未然に防ぐことができた
レベル1 間違った行為が実施されたが、患者への実害はなかった
レベル2 間違った行為が実施されたが、処置や治療は行わなかった
レベル3a 間違った行為が実施され、簡単な処置や治療を要した
レベル3b 医療行為に伴い、濃厚な処置や治療を要した
レベル4a 医療行為に伴い、永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害は伴わない
レベル4b 医療行為に伴い、永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害を伴う
レベル5 医療行為に伴い、死亡

5)-2  術後の転倒転落による大腿骨頚部・転子部骨折の発生率

  令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度
術後在院患者延べ数 43,059 39,379 37,755  41,571
術後の大腿骨頚部・ 転子部骨折の発生率 0.00% 0.00% 0.00% 0.00%
解説
 手術を施行した患者さんのうち、手術後に転倒・転落により大腿骨頚部・転子部骨折を発症した患者さんの割合を表す数値です。
 転倒・転落により骨折などの外傷が発生すると、患者さんの生活の質の低下を招き、回復に影響します。このため、手術後は痛みの緩和を図りながら安全に歩行できる状況をつくり、転倒・転落の未然防止に努めています。その結果、平成25年度から、術後の転倒・転落による大腿骨頚部骨折・転子部骨折は発生していません。
 
算出方法
 術後に大腿骨頚部・転子部骨折が発生した患者数 / 手術患者の術後在院延べ人数

 

5)-3  褥瘡(床ずれ)発生率

  令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度
褥瘡発生率 0.14% 0.25% 0.21% 0.24%
解説
 入院後、新たに褥瘡(床ずれ)を患った患者さんの発生率です。日本褥瘡学会の平成28年度第4回実態調査によると一般病院の平均推定発生率は1.2%です。
 当院では皮膚科医師、形成外科医師、管理栄養士、作業・理学療法士、薬剤師、皮膚・排泄ケア認定看護師などの多職種で褥瘡対策チームを編成し、毎週褥瘡回診やカンファレンスを行い、褥瘡の発生予防、早期発見、早期治療に取り組んでいます。また、褥瘡対策の院内勉強会の開催や高機能ベッドマットの導入により、更なる褥瘡対策に努めています。

算出方法
 褥瘡の院内新規発生患者数 / 入院患者延べ人数