看護部

専門看護師・認定看護師・特定看護師の紹介

当院には、さまざまな分野の専門看護師・認定看護師・特定看護師がいます。
個人で興味のある分野に挑戦し、臨床にその資格を活かすため日々努力しています。
※令和5年2月現在

専門看護師 人数
がん看護専門看護師 1
小児看護専門看護師 1
慢性疾患看護専門看護師 2
急性・重症患者看護専門看護師 1
認定看護師 人数
救急看護認定看護師 3
感染管理認定看護師 2
緩和ケア認定看護師 1
集中ケア認定看護師 2
皮膚・排泄ケア認定看護師 2
透析看護認定看護師 1
手術看護認定看護師 2
認知症看護認定看護師 1
がん化学療法看護認定看護師 4
摂食・嚥下障害看護認定看護師 1
特定看護師(特定行為研修修了者) 人数
栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 6
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 6
創傷管理関連 1
感染に係る薬剤投与関連 1

 

当院の特定行為研修

特定行為研修は超高齢化社会に向けて在宅医療、チーム医療の推進を目的に2015年より開始された制度です。特定行為には21区分38行為が指定されています。
(行為の詳細については厚生労働省HPをご覧ください)
当院では「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」「創傷管理関連」「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」「感染に係る薬剤投与関連」「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」の5区分の研修を行っており、令和4年度より「麻酔領域パッケージ」「救急領域パッケージ」研修が新しく開始されております。

 

専門看護師・認定看護師・特定看護師からの一言

がん看護専門看護師 三池 由起

がん看護専門看護師は患者さんやご家族に対して、がんと診断された時から生じる身体や気持ちのつらさ、治療の副作用・合併症などでの日常生活における困りごと、治療と仕事や子育て・介護の両立など悩みに対する相談を行っています。ご希望があれば医師の診察に同席する支援も行っています。治療終了後の方に対してもがん相談支援センターや患者会を通して支援しています。また在宅での療養に関する相談はソーシャルワーカーや訪問看護師、地域の医療・介護職の方等と連携して支援を行っています。院内だけでなく、もっとクロス活動を通じて施設外の看護師の教育を行ったり、患者会等では希望に応じて講義等を行っています。

小児看護専門看護師 梶原 陽子

小児看護専門看護師として、様々な健康問題を持つ子どもが病院及び地域での生活において健やかに成長発達していけるよう、子どもの最善の利益は何か、を考えながらより良いケアを提供していく為に活動しています。
普段は小児科病棟における実践や教育活動を中心とし、日々の看護場面でのコンサルテーションにもあたっています。また子どもと関わる機会のある部署との協働、そして小児関連だけでなく各科の子育て期にある患者さんのお子さんへの病状説明や心理面での看護ケア等、少しずつ活動の場面を広げているところです。

慢性疾患看護専門看護師 不動寺 美紀・蓑田 玲

慢性的な心身の不調とともに生きる方々が増加してきており、入院中の治療だけでなく在宅でも病気の管理を継続していく必要があります。病気と付き合いながら自分らしい生活を送っていくためには、その人自身のセルフケアが治療の柱となってきます。病気に対するお考えや日々の生活で工夫されていることをお聞きしながら、療養生活ができるだけ良い状態で過ごせるようサポートできるように活動しています。
地域や関連する医療スタッフの方々と連携しながら、慢性腎臓病および糖尿病の患者さんやご家族に対する療養支援を行っていきます。

急性・重症患者看護専門看護師 諸永 純子

急性・重症患者看護専門看護師は、緊急度や重症度の高い患者さんに対して集中的な看護を提供し、患者本人とその家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるように支援します。生命の危機的状態に陥った患者さんと家族は、大きな不安を抱えながらも病状を把握し治療方針の選択をしなければならず、状況によっては家族が代理で意思決定を行うことがあります。患者さんと家族の立場に立って一緒に考え、最善の意思決定ができるように支援します。

救急看護認定看護師  研井 礼子・川中 直美・中里 さかえ

私達が携わっている救急外来では、24時間体制で一次二次の救急疾患と重症救急疾患患者の対応を行っています。そのような状況の中で,救急病態を理解して、患者さんの状況に応じた迅速で確実な救命技術・トリアージ・病態に応じた安全なケア技術、そして危機的状況にある患者さん・ご家族への支援が行えるよう日々努力しています。
医師・看護師をはじめ他職種と共に救急医療体制の充実や生命危機状態にある患者さん・ご家族への対応のスキルアップに努めていきたいと思っています。

感染管理認定看護師 田嶋 信子・坂田 理枝

感染管理認定看護師の役割は、在宅から急性期病棟まで、全ての医療関連施設を利用する患者さん、ご家族、訪問者の方はもちろん、現場で働く人を感染源から守ることです。そのために疫学、微生物・感染症学、消毒・滅菌、関係法規などに関する最新の知識を基盤に、感染管理プログラムを構築し、教育・指導を行っています。
福岡赤十字病院における全ての人を感染から守り、患者さんに安全で信頼できる療養生活を送っていただくために、組織全体の感染対策の質向上を目指した活動を推進していきたいと思っています。

緩和ケア認定看護師  田中 優子

緩和ケアとは、がんと診断されたときから開始される医療やケアのことをいいます。病気や治療による「痛み」や「身体のきつさ」だけではなく、今後への不安や気分の落ち込みといった「こころのつらさ」に対しても医師・看護師だけではなく多職種で支援を行います。緩和ケアは、通院中・入院中どちらでも受けることができます。

集中ケア認定看護師  白坂 雅子・寺田 昌弘

集中ケア認定看護師とは、フィジカルアセスメントを駆使して生命の危機的状況にある患者の病態変化を予測し、重篤化を回避するための援助を行います。また、危機的状態にある患者さん・ご家族は不安やショックが大きく、身体・精神・社会的側面を含めた治療・看護が必要となります。他職種や他病棟との連携を図り、急性期からの早期回復を目指し、患者さん・ご家族が安心した入院生活を送れるように働きかけています。集中治療領域のほか、あらゆる病棟で重症な患者さんの看護に携わっています。

皮膚・排泄ケア認定看護師 長谷川 珠美・松本 佳織

皮膚・排泄ケア(WOC)認定看護師とは、創傷(wound:手術の傷や外傷、床ずれ等)、オストミー(ostomy:人工肛門・人工膀胱)、失禁(continence:尿失禁や便失禁)の頭文字で、この3つの分野の専門家です。皮膚・排泄ケア領域においてスキンケアは重要であり、治療や年齢に応じたケア方法の検討と実践を行っています。また皮膚障害が発生する要因は様々であり、他職種と協働し、それぞれの専門的知見を出し合いながら、質の高いチーム医療に取り組んでいます。

透析看護認定看護師 不動寺 美紀

日本の慢性腎臓病(CKD)患者は1300万人以上といわれ、末期腎不全に進行した場合は、透析療法や腎移植などの治療が必要となってきます。福岡赤十字病院腎センターは地域の関連施設と連携しながら、慢性腎臓病保存期の患者さんや透析を受ける患者さんの医療に携わっています。慢性腎臓病は病気が進行するまでは自覚症状が少ないという特徴があり、治療よりも仕事や日々の生活を優先してしまう患者さんもいらっしゃいますが、患者さん自身の自己管理が治療の中心となります。医師や管理栄養士、薬剤師、透析室、訪問看護などの多職種と協力しながら、病気の正しい知識や日常生活の注意点をご理解いただき、治療を継続していけるようサポートしていきたいと思っています。

手術看護認定看護師 鎌田 早理・横尾 静江

患者さんが手術を受けることを意思決定した段階から術後回復するまでの過程の中で、患者さんやご家族の権利を擁護し自己決定を尊重した支援を目指しています。実際には、外来受診時に手術前オリエンテーション、手術当日までに患者さんのベッドサイドを訪問し、麻酔や手術に関する説明をするだけでなく患者さんの疑問や不安を解決して、患者さんが少しでも安心して手術を受けてもらえることを心がけています。手術中は「安全第一」で多職種と連携して皮膚障害、神経障害、感染などを予防する看護を実践しています。また、患者さんの回復力を促進させて1日でも早く手術前の生活に戻ることが出来るように、患者さんのために何ができるのかを考えて多職種と連携してチーム医療に取り組んでいます。

認知症看護認定看護師 千布 さとみ

慣れない環境での入院治療は認知症患者さんにとって非常にストレスです。これまでの生活や習慣を大切にしながら、その人にとっての心地よいケアを行うことで、必要な治療を安心・安全に受け、早期にもとの生活に戻られることを目指しています。また、急性期病院では治療に関する様々な意思決定が必要です。認知症があっても生きる主体は認知症患者さん本人です。患者さん本人の意思を治療や看護に反映できるよう、ご家族や院内・外の多職種との連携に努めています。
病気と折り合いをつけながら生活している認知症患者さんが、笑顔で住み慣れた場所に退院できるよう活動していきたいと思います。

がん化学療法看護認定看護師 石橋 直子・百﨑 やよい・久米 聖子・安元 小織

化学療法は、従来の抗がん剤の他、分子標的薬やホルモン療法、免疫チェックポイント阻害薬などの治療があり、注射や内服薬など形態も様々です。また、治療に伴う副作用を軽減する方法も日々進歩しています。医師や薬剤師と連携して、患者さんの状況に合わせた治療の選択や、副作用の対応など行っています。患者さんやご家族が安心して治療に臨めるようお手伝いさせて頂きたいと思います。

摂食・嚥下障害看護認定看護師 井上 早紀

肺炎は日本人の死因の第3位となり、「誤嚥」がその原因の多くを占めると言われています。そのため、医療の現場では治療のひとつとして「食べること」に制限がかかることも少なくありません。しかし、私たちがより豊かに健康に生きるためには「口から食べること」が欠かせないということが、今、再注目されています。
摂食・嚥下障害認定看護師は、体の機能だけでなく生きる意味からも「食べること」について考え、患者さんやご家族を支援する役割をもちます。また、栄養サポートチームの一員として、栄養・食事の観点から治療をサポートしていきます。入院中であっても、安全に食事を味わい、栄養を摂り、患者さんやご家族の希望される生活へ近づくように一緒に考えていきます。

特定看護師(特定行為研修修了者) 阿部 将之・鮫島 昂大・白坂 雅子・田嶋 信子・寺田 昌弘・濱田 基伸・松本 佳織・向山 恵

特定行為研修を終了した看護師は手順書に従って該当する診療の補助を行うことができます。これにより、タイムリーな診療や看護ケアの提供が可能となりました。当院では、研修を終了した看護師は、特定行為の実践の他に専門性を活かしたチーム医療活動にも活躍の場を広げております。 

年々、特定行為研修の受講者数も増えています。今後も急性期の地域中核病院として地域医療に根差した医療の提供ができるよう、看護師として患者様に寄り添った専門性の高い安全な看護に努めていきたいと考えております。 

エキスパートナースの会

看護職には看護師・助産師・保健師の国家資格や、日本看護協会が認定する専門看護師や認定看護師、特定看護師などの資格があります。その他、各学会や教育機関が認定する専門領域の様々な資格があり、看護職が取得できる分は約70種類以上にも及びます。
日々進歩する医療の中、専門職として看護師は生涯学び続ける責任があります。福岡赤十字病院は、平成14年から「エキスパートナースの会」を発足し、看護の質の向上を目指して活動の場を広げてきました。令和5年8月現在、36分野のべ67名の資格取得者がおり、院内研修会や現場でのOJT、院外への「いのちの授業」等、出前講義で活躍しています。興味がある方は、福岡赤十字病院看護部へお問い合わせください。
※令和5年8月現在

エキスパートナースの会のメンバー 活動内容
慢性腎臓病療養指導看護師​ 慢性腎臓病や透析を受ける患者さんの療養生活のサポートや、透析看護研修を通して看護スタッフの教育に取り組んでいます。
腎臓病療養指導士
日本糖尿病療養指導士
地域糖尿病療養指導士
糖尿病療養に関する専門外来(フットケア外来・糖尿病透析予防外来・インスリン指導外来)で主に活動しています。
ICLSインストラクター

BLSやICLS研修を通して急変時対応が行えるスタッフ育成を行っています。

マタニティヨガインストラクター マタニティヨガインストラクターの資格を持った助産師が、希望する妊婦さんに週1回ヨガ教室を行っています。
思春期保健相談士​ 福岡市内の小学校、中学校、高校へ、助産師の視点から「いのちの教育」や「性教育講演」を行っています。
アドバンス助産師 妊婦および褥婦自身が主体的に自己の健康管理を行うことができるように、助産師専門外来での妊婦健診、母子育児支援に対応しています。また、職員妊婦の健康支援も行っています。
心不全療養指導士

心臓リハビリテーションや心臓病教室で、心疾患の患者さんが在宅療養を行えるよう支援しています。