小児科

検査や処置について

検査や処置のおもな意義についてお伝えします。
これ以外にもいろいろな理由で同様の検査や処置が必要になることもあります。

検査

種類 内容
身体計測 身長、体重、頭囲、胸囲、血圧などの測定を行います。体重の増え方は発育の指標となりますし、身長の伸びは内分泌や代謝など多くの疾患で関係があります。母子手帳も参考になりますので、受診の際にはぜひお持ちください。また、お薬の量も体重にあわせて処方します。計測は小児科では特に重要な項目です。
検尿 尿をとることで、腎臓の病気、尿路感染症、糖尿病などいろいろな病気の発見と評価が可能です。
また、脱水の程度を調べることも大切です。小さいお子様の場合には「採尿パック」を張って尿がでるのを待ちます。少し時間がかかるかもしれませんが、大切な検査です。また、必要なときには「導尿」(尿の出口から膀胱まで管を入れる)にて尿をとることもあります。
採血 採血を行うことで、体の中の様々な状態の評価ができます。病気の症状にあわせて、採血の項目を選択します。白血球の数と種類、赤血球の数、血小板の数といった一般検査、出血傾向の有無(凝固系検査)、腎機能、肝機能、電解質などの生化学検査。炎症反応や免疫グロブリン、補体といった免疫系の検査などがあります。このほかにも、いろいろなことに血液検査が必要となります。
髄液検査 髄膜炎が疑われる場合などに、脳とつながっている脊髄の液を検査します。原因の診断、治療方針の決定のために必要な検査です。腰のあたりの背中側から液をとります。無菌性髄膜炎の場合には、検査によって髄液の圧が下がり、頭痛が改善することもあります。
検便 便に血が混ざっていないか、菌やウイルスがいないかなどの検査を行います。血便を起こす細菌としては「鶏肉」に多い「キャンピロバクター」、「たまご」に多い「サルモネラ」、「牛肉」に多い「O157腸管出血性大腸菌」などがあります。「ロタウイルス」「アデノウイルス」による下痢症も、便のウイルスの検査で診断ができます。
咽頭・鼻腔ぬぐい液 ウイルスの検査によく用いられます。最近は「インフルエンザ」をはじめ、「アデノウイルス」、「RSウイルス」といったウイルス検査、「A群溶血性レンサ球菌」という細菌の検査が可能となりました。短時間で結果が出るため、治療方針の決定にとても役立ちます。少し痛みがあったり、吐きそうになることもありますが、とても有用な検査です。
培養検査 感染症で検査が必要なときに、原因と考えられる部位の培養検査が行われます。咽頭や鼻腔、膿、尿、便などがよく行われますが、必要なときには血液や髄液の培養も行います。
レントゲン検査 胸部レントゲンは肺や心臓、肋骨や脊椎などの状態の評価に、腹部のレントゲンは腸管や肝臓、脊椎などの評価に用いられます。症状にあわせて部位と方法を決めて撮影します。
妊娠中の方はあらかじめお知らせください。
CT・MRI検査 断層撮影を行う検査です。(CTはレントゲン検査に含まれます)
詳しい画像情報が得られるので、診断のために有用です。
小さなお子さんは眠らせて検査をしますので、予約の時間より早めにおいでください。
超音波検査 腹部の超音波検査は肝臓や腎臓などの病気の診断に力を発揮します。また、腸重積の診断にもしばしば用いられています。
心臓超音波検査は心臓の先天的な問題や、心機能の評価に用いられます。
最近は新生児の頭部の超音波検査も行われています。脳の状態がわかります。
心臓超音波では、小さなお子さんは眠らせて検査します。
脳波検査 けいれんや発達の遅れなどがある場合に、脳の活動の状態を調べる検査です。この検査で得られた情報と、臨床的な症状にあわせて治療が決まってゆきます。また、治療の効果の判定にも用いられます。
小さなお子さんは眠らせて検査をします。検査の予約時間より早く病院においでください。

処置

種類 内容
点滴 脱水状態にある場合などに点滴を行います。また、小児では、抗生剤の注射が必要な場合に血管確保のために点滴を行うこともあります。ふつうの点滴では、投与できるカロリーはわずかですが、吐き気が強い患者さんなどでは点滴を行うことで吐き気が収まって水分がとれるようになることもあります。とはいえ、痛みを伴う処置ですので、必要以上には行いません。
吸入 喘息の患者さんの発作時、気管支炎や肺炎の患者さんの喀痰排出のために行います。使用する薬剤の関係で、ある一定時間を空けないと吸入ができないことがあります。
浣腸 おしりから浣腸液を注入して、便を出す方法です。便がたまった状態で、おなかが痛くなることもよくあります。また、浣腸をして、便の状態を評価することもあります。腸重積では浣腸で血便を多く認めます。腸重積と診断されたときには高圧浣腸という方法で、治療を行います。