腎臓内科

特徴・特色

外来

毎日1~2名の腎臓内科医が外来を担当しており腎臓病の新患、再来の診療を行っています。検尿や腎機能に問題のある場合などいつでもご相談下さい。また、緊急性のある腎臓病の場合は地域医療連携室にご連絡ください。

入院

年間700~800例の入院があり、以下のように幅広く腎疾患全般の診断・治療を行っています。

腎生検 腎臓内科だけで年間約110例、移植腎を含めると年間130例ほどの腎生検を施行しています。病理診断も自分たちで行い、ネフローゼ症候群や血管炎などの重篤な糸球体疾患や、移植腎のエピソード生検などでは、病勢に即したタイムリーな治療が可能であり、膠原病など他科の腎障害についても診断・治療を通じて強い協力関係を構築しています。
血液透析・血液濾過 新規導入数は年間約120例です。例年多数例が透析療法を開始されますが、近年患者さんの高齢化、多合併症化は深刻な問題となっています。しかしできる限りのADLの改善とその維持、そして極力在宅、外来通院へと導くことが自分達の重大な使命であると考えます。従来からの十分な透析の提供や入念な合併症治療も当然ですが、さらには良好な自己管理を目指す指導、自宅での生活を担保するリハビリテーションや社会サービスとの連携にも注力しています。
当院の最も特徴的な点は、近隣の維持透析施設からあらゆる合併症入院(循環器・心臓外科・整形外科・消化器内科・脳神経内科・外科・消化器外科・呼吸器科など)が年間600~700例と広く多数あることです。そのため、それぞれの専門科の医師も透析患者の治療経験が豊富です。また本年よりオンラインHDFを開始し病態に即した様々なニーズに応えた透析療法を提供したいと思っています。
腹膜透析(CAPD) 30年以上の長い歴史を有しています。現在約50名の患者を管理し、当院のモットーとしてあらゆるCAPD患者に対応するためにCAPDメーカー全4社のデバイスを使用しています。腎臓内科医が手術から日常診療まで担当し、透析室の看護師がPDナースとして専門的に管理・指導しています。導入に察しては基本全例SMAP法で行い、管理が困難な場合にはPDナースをはじめ臨床工学技士、栄養士や薬剤師が介入を行うようにしています。
在宅血液透析 現在3名の患者さんが継続中です。PDや腎移植とならび重要な在宅医療の選択肢であり、QOLはかなり高いものとなります。専用の患者訓練室などの施設基準も準備し、十分な患者教育と自宅の設備や機器のメンテナンスも臨床工学技士を中心としてスタッフ間で協力して行っています。希望しているもしくは興味がある方がある方がおられましたら、是非ご連絡ください。
血液浄化・特殊治療 敗血症などの重症例に対する集中治療としてのCHDFやエンドトキシン吸着、自己免疫疾患や腎移植前の血漿交換、炎症性腸疾患に対する白血球除去、難治性ネフローゼ症候群でのLDL吸着、難治性腹水に対するCART、抹消血管細胞移植に際しては造血管細胞採取などを専門科と連携して多数例実施しています。
バスキュラーアクセス関連

シャント狭窄、閉塞に対して経皮的血管形成術(PTA)は年間約280件行っています。手術に関しても内シャント(自家静脈、人工血管)、表在化動脈、瘤除去、カフ型(長期留置型)カテーテル留置、CAPDカテーテル挿入など、透析関連の外科的手術全般にわたり年間280件ほどです。

腎移植 移植外科と診療チームを構成し、定期的なカンファレンスとラウンドを実施しています。また近年では腎臓内科医も移植前後の外来患者フォローを行い、外科内科協働で腎移植の推進に尽力しています。
CKD外来・栄養指導 CKD外来では、通常の医師の外来診療とは別に、慢性腎臓病・透析療法に精通した看護師によりCKD進展防止のための生活指導(対象:主にステージ3~4)や腎代替療法の治療選択(対象:主にステージ4~5)を行っており、実施数は年間およそ300件と大きく増加しています。CKD対策で最も力を入れているのは生活指導であり、やむなく末期腎不全に至ったとしてもその治療選択に際しては、患者さんとの共同意思決定プロセス(shared Decision Making;SDM)を用いるようにしています。また栄養課はCKD外来とおおむねコラボして実施しており、透析患者さんに対しては塩分制限やリンやカリウムの管理方法なども随時指導しています。これらがCKDおよび透析医療での多職種連携、チーム医療の中核であり、さらなる拡充を目指します。