循環器内科

福岡赤十字病院・循環器内科の診療の特色

① 充実したチーム医療

循環器診療は一人の名医がいたとて包括的な質の高い医療はできません。診療チームとして力を結集し、急性期から慢性期まで診療が点ではなく、線でつながることがとても重要で、良好な結果につながります。当科ではチーム医療、内科外科の連携を重視し、十分なチームでの検討を持って患者さんに最もメリットがある治療計画を提案するようにしています。
                                          毎朝開催される内科・外科合同カンファレンス

                                         

② 虚血性疾患(狭心症・心筋梗塞)

虚血性心疾患とは心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を送る動脈が動脈硬化により狭くなったり(狭窄)、詰まってしまう(閉塞)病気です。胸が締め付けられるような痛みや圧迫感が典型的な症状ですが、息切れだったり自覚症状に乏しいまま狭窄が進行していることもあります。心筋梗塞では命の危険があり、緊急で冠動脈造影検査を行い、閉塞血管を再開通させる必要があります。当院では24時間365日、緊急対応を含めて冠動脈造影治療ができる体制を整えています。こうした冠動脈の治療は多くの場合手首等の血管から細い管(カテーテル)を挿入することで可能で、術後の安静時間・入院期間が短く、狭心症の治療であれば34日の入院で可能です。
 当科では冠動脈のカテーテル治療
年間500例以上行っています。豊富な治療経験と、ロータブレーターなどの特殊機器を駆使し、石灰化病変や慢性完全閉塞などの難治性病変を含めて優れた治療効を上げていますまた、血性心疾患画像診断として高精度3203D-CT装置を配備しています。これらの医療機器を駆使し、外来診療でもかなり詳しい病状評価が可能で、正碓な診断と治療方針の決定に威力を発揮しています。



 

③ 頻脈性不整脈の治療・カテーテルアブレーション

  脈が速くなる頻脈性不整脈は、心房細動、心房粗動、心房頻拍、発作性上室頻拍、心室頻拍、心室細動が挙げられます。昨今はカテーテルアブレーションの技術改新が目覚ましく、全ての病型に対し治療が可能となっています。特に心房細動頻度が多い不整脈で、心不全や脳梗塞の原因となることから適切な治療をすることが重要です。心房細動は徐々に進行し慢性化の経過をたどりますカテーテルアブレーションは心房細動のほとんどの患者さんに実施可能ですが、慢性化する前の方が根治性が高く、早い段階で治療を受けることにメリットがあります。
   心房細動に対するカテーテルアブレーションは肺静脈隔離術といわれる方法
確立しています。肺静脈隔離術は4本の肺静脈の周囲をカテーテルで焼灼し、心房細動の本態である心房筋の異常な興奮を抑止する治療法、劇的な病状改善が期待できます。
   カテーテルアブレーションは開胸(胸を
外科手術)することなく、大腿部(足の付け根)から治療用のカテーテル挿入してい、通常45日の入院で施行可能ですこの治療は確か技術を持つ熟練した施設で受けることが肝要です。当科の責任術者である向井部長は3000例以上のアブレーション治療経験があり様々な症例での対処法を熟知しています。県外から当科の治療をご希望してご来院される患者さん他院で治療困難とされた症例の治療実績も多くあります病状に応じたテーラード治療、治療をお受けになる患者さんの身体的負担が少ないカテーテル治療得意としております。心房細動等の不整脈でお困りの方はどうぞご相談ください。



  
  

④ ペースメーカー・植え込み型デバイス

 心拍数が少なくなってしまう徐脈性不整脈の治療としてのペースメーカーや、致死的不整脈から生命を救うために用いる植え込み型除細動器ICDを総称して心臓植え込みデバイスと言います。2019年度はデバイス植え込み術97例(そのうちICD 4例、CRT 14施行しました。心不全に対するペーシング治療として、心臓再同期療法(CRTがあります。心臓の拍動を制御する興奮伝搬が弱ってしまい、心臓全体収縮タイミングがずれてしまって心不全を来す場合、CRTは劇的な効果があります。静脈いう心臓静脈経由で左心室に興奮を伝えることで心室・左心室両方からの刺激を可能とし、心臓全体の動きを同期」させ心機能を改善させるもの、当科には豊富な治療実績があります当科ではいずれの機器も厳密な適応基準に則って、患者さん毎にカンファレンスにて植え込み術の適応を決定しています
 

⑤ 心不全の治療・管理

 心不全とは、ここまで述べてきた虚血性心疾患、不整脈、心臓弁膜症、心筋症など原因の如何に関わらず、心臓のポンプ機能がうまく果たせないため、息切れやむくみが起こり、徐々に生命を脅かす病気です。高齢者にいため現代社会では増加の一途ですが、病態は患者個々で多様で、病態に応じた治療選択と実践とても大切です。当科不全の豊富治療経験があり、カテーテルによる機械的サポートや呼吸サポート、強心薬などを用いた集学的治療で難治性の心不全患者でも劇的な治療効果を上げています。心不全は入院を繰り返しやす一旦は症状が改善しても再増悪を防ぐための薬物療法や退院後のサポート重要ででは長期的な病状変化を考慮し急性期のみならず継続性のある心不全管理を行っています。

⑥ 抹消動脈疾患と血管内治療・静脈疾患

  下肢閉塞性動脈硬化症(間欠性跛行、重症下肢虚血)しては血管内治療を行っています。間欠性跛行は動脈硬化による下肢血流不足のため、歩行中に足の痛みやだるさを感じる症状です。重症下肢虚血は、動脈の狭窄重度のため、安静時でも足にみがあったり難治性の皮膚潰瘍を生じる状態です。薬物療法で改善乏し場合カテーテルによる血管内治療(バルーン拡張やステント留置術)が有効です。閉塞距離が長い場合や再発繰り返す場合心臓血管外科でバイパス手術こともあります。長期安静などで下肢の静脈に血栓が生じ、片側の下肢に疼痛や腫脹が生じる深部静脈血栓症に対しても当科で抗凝固薬による治療を行い、適応がある症例で下大静脈フィルターを挿入することもあります。

⑦ 心臓リハビリテーション・多職種連携について

 心臓リハビリテーションとは心臓・血管の機能回復に最適な運動強度を指導・実践することであり、継続により大きな効果が得られます。当科では生活習慣病の是正も含めて患者教育及び多職種包括的疾病管理プログラムを重視しています医師、看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士など多くの医療職が、効果的なプログラムを提案、実施します。当院では毎週多職種カンファレンスにて患者さんの情報共有を行い個々の患者さんに応じたオーダーメイドのプログラムを提案しています。退院後必要に応じて外来心臓リハビリを継続し、日常生活継続的なサポートを行っています。