卒後教育

卒後教育

専門職としての看護実践能力の向上を目指して

臨床における看護実践能力を高め、専門職として自律した行動がとれる看護師の育成を目指しています。そのために、一人ひとりが自分の持っている力を発揮しながら、キャリア開発に主体的に取り組んでいくことがねらいです。

また、人材育成に大きな役割を果たす中間管理者の教育・管理能力の向上も重要と考えています。日常業務において、看護実践能力を培い、災害時に救護活動が実践できる看護師を育成することも赤十字病院として果たすべき役割の一つです。

当院は日本赤十字九州国際看護大学の実習病院です。看護学生への指導を通して、後輩への指導・教育について学ぶことをねらっています。

教育目的

看護部の理念に基づき、専門職業人として時代の変化に応じた質の高い看護が提供できる看護師を育成する。

教育目標

  1. 受け持ち看護師として、対象を全人的に捉え、対象のニーズに応じた看護が提供できる。
  2. 赤十字の看護師としての自覚をもち、災害時に救護活動が実践できる。
  3. 専門職業人として自己啓発に努め、キャリア開発ができる。
  4. 中間管理者として必要な教育・管理能力を開発できる。
  5. 看護学生の実習指導ができる。

キャリア開発ラダーシステム

 

キャリア開発ラダー

当院では2000年(平成12年)よりキャリア開発ラダーシステムを取り入れています。
このシステムは患者中心の看護の質向上と看護職員へのエンカレッジ(励ます・勇気づける)をねらうものです。

平成27年度ラダー認定

平成27年度ラダー新規取得者 96名
・実践者ラダー Ⅰ:48名 Ⅱ:20名 Ⅲ:10名 Ⅳ:3名
・看護管理者ラダー Ⅰ:6名 Ⅱ:1名

・国際ラダー  Ⅰ:1名 Ⅱ:2名

・助産師ラダー  Ⅲ:5名 

  看護研究発表会      病棟カンファレンス風景

 

  ラダー認可者には認定証と本人の名前入りのボールペンが記念品として渡されます。

  認定証とボールペン

新人看護職員教育

  • 支援体制

当院では平成26年度よりパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)®を導入しています。新人のパートナーが実地指導者となり、さらにグループでお互いを補完し合い、部署ごとに教育担当者を置き、部署全体で支援していく体制を整えています。

新人看護職の卒後臨床研修の実施に向けての取り組み
看護の質の向上、医療安全の確保、早期離職防止の視点から法改正が行われ、平成22年4月から新人看護職の卒後臨床研修が努力義務化されました。
当院では上記のとおり新人看護職の支援体制を整備してきたことを踏まえて、平成22年度からはガイドラインに沿って役割を明確にして取り組んでいます。

  • 新人看護職員教育研修プログラム
講座名 臨床看護実践 マネジメント 赤十字
4月

看護技術研修①

看護過程と記録研修①

採用時研修

医療安全研修①

赤十字概論Ⅰ
5月 護技術研修②

医療安全研修②

タスクマネジメント研修①

仲間作りワークショップ

 
6月 看護過程と記録研修② ストレスマネジメント研修①  
7月 フィジカルアセスメント研修 ストレスマネジメント研修②  
8月 看護過程と記録研修③

医療安全研修③

フィジカルアセスメント

 
9月 BLS研修    
10月   タスクマネジメント研修② 赤十字施設見学
11月 看護過程と記録研修④(部署発表)    
12月 院内留学    
1月   医療安全研修④ 赤十字概論Ⅱ・Ⅲ
2月      
3月   タスクマネジメント研修③  
 

   採血の演習            輸液ポンプの取り扱い       仲間作りのワークショップ

福岡赤十字看護研究会

 当院では看護の質の向上に取り組み、毎年看護研究会を開催しております。平成28年2月27日、当院椎木記念ホールにて第54回福岡赤十字看護研究会を開催致しました。第53回より、中堅看護師が取り組んでいる「リーダーシップとマネジメントの実践」報告も発表の中に取り入れ、さらに看護の活性化を図っております。そして優秀な演題に対しては表彰も行われます。この看護研究会には院内のみならず、各連携病院施設からも多くのご参加をいただいております。

第54回 優秀演題テーマ
 看護研究:手術を受ける小児への「手術室体験入室」の効果
 リーダーシップとマネジメントの実践:がんリハビリテーションの推進を目指して

 

       <会場風景>                         <表彰者>

卒後教育研修プログラム

キャリア開発ラダーのレベルに応じて教育研修を計画しています。

実践者レベルⅠ~Ⅳまでそれぞれのキャリアに応じて研修が選択できるようになっています。平成26年度からは「リーダーシップとマネジメントの実践」研修を取り入れ、中堅看護師のキャリア支援にも力を入れています。またそれぞれの看護師が主体的に日本看護協会や関連分野の学会や研修会を選択し受講しています。

  • ラダーレベル研修概要
研修項目 研修内容 目的対象・方法
臨床看護実践 看護過程と記録 看護記録の目的・意義を理解し、看護展開に合った適切な記録を行う。日々の看護を振り返り看護実践力を高める。
看護と倫理 倫理的感受性を高め専門職業人としての自覚と責任を持ち看護を提供する。
高齢者ケア 加齢による心身の機能変化および疾患・合併症の特徴を理解した看護を行う。認知症高齢者にとって心地よい看護を実践する。
フィジカルアセスメント 患者の病態変化に対応出来る看護実践力を養う。
看護技術 患者に安全安楽な看護を実践する。
院内留学 他部署の看護実践場面を見学・経験し、看護の視野を広げ自己のキャリア形成に役立てる。所属部署では習得困難な看護技術を経験する。
マネジメント 感染管理 感染防止の技術を安全に提供できる。針刺し、切創、体液、血液暴露対策を安全に実践する。
医療安全 医療安全の考え方や当院での医療安全管理体制を理解し、組織の一員としてリスクマネジメントの視点を持ち安全な医療を提供する。
ストレスマネジメント

新人看護師がリアクションに適切に対処し所奥場適応できる。

業務を離れた場所で日頃の自分を振り返り、自分の思考・感情が自分の行為にどのように影響しているかを知りお互いを尊重した活動を考えていくことができる。
医療チーム 中堅看護師が実践を通してリーダーシップを学び、看護観を深めたり自己の役割を認識し部署の看護の質向上に貢献する。
職場適応
教育・研究 事例研究

日頃の看護を研究的視点で探求し看護観を深める。

事例研究に取り組み論理的な思考を養う。
看護研究 日常業務の中で研究的に取り組む姿勢を育み看護の活性化の一助とする。
指導

新人看護師の自己成長を支援するための知識・技術を学びOJTに活かす。

新人看護職員の職場適応を把握し、新人を支えるスタッフ及び新人看護師への教育及び精神的支援を行う。

赤十字活動

赤十字の理解 救護員としての赤十字看護師の役割を果たすために赤十字事業に関する知識を習得し、災害時の看護実践能力を養う。
災害と看護
救護員養成
こころのケア
  • 国際救援・開発協力活動派遣教育研修

当院は国際救援・開発協力活動に参加している看護師が2名(平成28年4月現在)おります。活動の場では自立した看護実践が求められるため、まずは日頃の看護実践力を高めていくことが大切です。しかし国際活動におけるスキルを身につけるためには、自己学習のみならず経験者のスキルを活用しながら効果的に学習が進められるよう研修会を開催し支援しています。またキャリア開発ラダーには国際ラダーがあり、実践者ラダーの取得を行いながら、レベルに応じて国際ラダーも取得していくことが出来ます。院内では英語研修もレベルに応じて開催しています。

 国際ラダー取得状況  国際ラダーⅠ:3名、国際ラダーⅡ:1名、国際ラダーⅣ:1名(平成28年4月現在)

 
  • 院内認定制度

「専門職業人としての自己啓発に努め、キャリア開発ができる」という福岡赤十字病院看護部の目標に基づき、特定の看護領域に強みを持つ看護師を育成することを目的に平成21年度より「院内認定制度」を導入しています。特定専門領域の研修(院内認定コース)を受講し、その分野の看護実践のモデルとなり、所属部署内において看護の質の向上に貢献できる看護師を育成しています。

<院内認定コース>

・救急看護アドバンスコース(平成21年度開設)

・血液透析看護コース(平成21年度開設)

・がん看護コース(平成23年度開設)

・スキンケアコース(平成24年度開設)

・感染管理コース(平成24年度開設)

・腹膜透析看護コース(平成24年度開設)

 

  • 実習研修の受け入れ

当院は実習病院として、日本赤十字九州国際看護大学をはじめ様々な実習研修を受け入れています。後輩の指導や育成は私たちの仕事の一つです。学生に関わることで常に新しい息吹を感じ、刺激を受けています。

実習中の写真
実習中の写真

実習中の写真

ワーク・ライフ・バランスへの取り組み

  • ワーク・ライフ・バランスとは?

ワーク・ライフ・バランス個人それぞれのバランスで、仕事と生活の両立を無理なく実現できる状態のことです。仕事と生活を調和させることで、両者間に好ましい相乗効果を高めようという考え方とその取り組みをさします。

看護部では、それぞれの生活を尊重したお互いさま意識のある職場環境づくり、柔軟性のある働き方の選択による充実した生活、皆さんのライフサイクルに合わせたキャリアアップを支援したいと考えています。

1.仕事に対する支援
1)育児休暇中の情報提供
・病院、看護部の動き、医療安全について毎月文書を発送する
・研修会の案内 必要に応じて受講 配布資料を送付し学習
2)職場復帰直前講習(育児休業終了前3か月間又は介護休業終了前1か月間に2日間実施)

期日 研修内容(担当者)
講習1日目

看護部方針、病院の動きについて(看護部長)

卒後教育について(教育研修責任者)

医療安全について(医療安全推進室)

感染管理について(感染予防対策室)

復帰後の仕事と育児の両立について意見交換(参加者・育児経験者)

事務手続き(説明、質問対応)(人事課)
講習2日目

幼児安全法講習①*

配属部署の管理者との面接(仕事と育児の両立についての相談)

配属部署の見学、看護ケアの確認

*育児休暇中に、赤十字の幼児安全法支援員養成講習(①~③)を受けることが出来ます。子育て中の親として子どもの健康を守る知識・技術を習得することが出来ます。

 

2.働きやすい体制支援システム
当院は、子育て支援だけではなく、介護が必要な方の働き方も支援しています。
看護管理者及び人事課担当者が連携し、育児・介護休暇中の相談窓口となっています。

  • 先輩看護師の紹介

当院でも様々な形態での勤務が導入されています。看護職員はこのようにして、仕事 と生活のバランスを取っているのです。頑張って働いている先輩看護師を紹介します!!

●みなさん、こんにちは。私は皆さんがずっと小さい頃に看護学校を卒業し、福岡赤十字病院に就職しました。それ以来、さまざまな病棟で働きながら、結婚、出産、育児とあわただしい日々を送り、気がつけば四男四女計8人の子供たちに囲まれていました。子供が小さいうちは、すぐ病気になり、病棟のスタッフに迷惑をかけることもありました。しかし、皆、嫌な顔一つせず、仕事のカバーをしてくれたお陰で、今もこうして子育てをしながら働くことができるのだと感謝をしています。
 これから今まで以上に互い助け合い、一人でも多くのスタッフが子育てしながら働いていける環境を確立して行けたらいいなと願っています。そして、いつの日か、皆さんと一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています。(小林)

●私は長女の小学校入学を機に退職を考えていました。理由は長女の通学時間や学童保育へ預けられる時間と就業時間が合わなかったためです。もう少し自分の看護師としての技術や知識をこの病院で高めたいという気持ちはありましたが、母親として自分の事ばかり考えることも出来ない現実がありました。今回この時間短縮業務という制度を利用できたことでこの病院で働き続けることが出来るようになりました。子育てと仕事の両立は思った以上に大変なことです。しかし、職場や周りの人の協力で子育てをしながら仕事も頑張ることが出来ています。(長谷川)