放射線治療(リニアック室)

放射線治療 (リニアック室) 予約制

使用機器名
Synergy(Elekta社製)
性能等:
X線エネルギー3種類(4MV、6MV、10MV)
電子線エネルギー5種類(4MeV、6MeV、9MeV、12MeV、15MeV)

診療日およびスタッフ紹介

   
午前 医師 1 1 1 1 1
診療放射線技師 2 2 2 2 2
看護師 1 1 1 1 1
午後 医師 1 1 1 1 1
診療放射線技師 2 2 2 2 2
看護師 1 1 1 1 1

*原則、新患の受付は月曜日の午前・午後、火曜日の午前中、木曜日の午前・午後となります。

  • 医師(常勤) :1名
  • 医師(非常勤):2名(九州大学病院より)
  • 診療放射線技師:専従1名+4名(チーム内での交代制)
    放射線治療専門診療放射線技師:3名
    (放射線治療品質管理士):1名
    (医学物理士):1名
  • 看護師:4名(外来看護師が交代制で勤務)
  • がん放射線療法看護認定看護師:1名

放射線治療について

放射線治療は、がんの治療法として外科手術・抗がん剤と並ぶ治療法の一つで、がんに高エネルギー放射線を照射することにより腫瘍細胞などを死滅させてがんを退治する治療法です。照射中に痛みを感じることはありません。しかし、少しずつ悪い腫瘍を破壊していく方法ですので、多くの場合1~2カ月程度かかります。体調にもよりますが、外来での治療も可能です。
2017年度実績 3,872件

 

治療している病気(疾病)は…

現在、当院では次のような病気に対して放射線治療を行っております。
≪前立腺腫瘍・乳がん・頚部腫瘍・膀胱腫瘍・子宮がん・脳腫瘍・食道腫瘍・肺腫瘍・骨転移など。≫

副作用について…

副作用について…

(例)皮膚への影響

放射線は悪い細胞を死滅させますが、正常な細胞にも影響を及ぼします。放射線治療計画および治療技術で、なるだけ副作用がないように努力しておりますが、影響を0(ゼロ)にすることはできません。また、放射線を照射する部位や患者さんにより、副作用は異なります。

放射線治療の流れ

  1. 診察
    専門の担当医師が診察し、さまざまな検査結果を参考にして、治療方針を決定(身体のどの部位に…、どのくらいの放射線を…、どのように照射するのか…)します。
  2. 放射線治療用CT撮影
    放射線治療のターゲットの位置を決定するために、X線CTを撮影し、病変や正常組織などの情報を取得します。このとき、身体に専用マジックでマークをつけます。約20-30分程度必要です。
    放射線治療用CT撮影

    ≪注意≫
    *マークは絶対に消さないようにしてください。
    *下着はマークで汚れてもいいものをご使用ください。
    *CTを撮影しますが、原則的に造影剤は使用しません。食事の制限もありません。

  3. 放射線治療計画
    放射線治療計画

    CTで得られた画像情報は放射線治療計画装置というコンピュータに送られ、コンピュータ上で医師・診療放射線技師が、照射する範囲、放射線のエネルギー、量などを決定します。
    この作業には通常数日要します。

  4. 放射線治療の開始
    放射線治療の開始

    コンピュータ上で決定されたデータにもとづき、放射線治療が行われます。

    1回の治療時間は10―15分程度です。実際に放射線の出ている時間はわずか1-2分程度です。痛みや熱さは感じません。

    治療開始前に位置確認を行います。通常5-10分程度かかります。

  5. 日々の照射と診察

    放射線治療装置の台上で、照射範囲がずれないように毎回同じ体位をとります。照射中、痛みを感じることはありません。通常、一日2Gy(グレイ)前後の照射線量で、毎日(月曜ー金曜)照射を6週間前後続けるのが標準的です。
    放射線治療は、治療回数や期間が治療効果や副作用と密接に関連していますので、途中で中断しないことが大事です。
    照射期間中は定期的に診察を行い、治療の続行が可能か、照射範囲の変更が必要かどうかを判断していきます。

    *照射前の位置確認について
    当院ではイメージガイド下放射線治療(IGRT)の手法を用いて位置確認を行っております。Synergy(Elekta社製)は、治療ビームと垂直方向にkV電圧のX線管球とフラットパネル検出器を装備しており、単発撮影や連続(透視)撮影だけでなく、コーンビーム技術による3次元のCT画像を撮影することができます。寝台上で患者さんをポジショニング後、ガントリーを1回転させることにより実際の治療位置で3次元のCT画像を撮影し、得られた3次元画像を、専用のワークステーション上で、治療計画に使用したリファレンスのCT画像と重ね合わせ表示し位置決め誤差を計算します。得られた値を用いて寝台を補正することにより、治療計画上の正確な位置で照射を行うことができます。3次元のCT画像を利用することにより、従来のリニアックグラフィーやポータルイメージング画像では確認することが困難であった軟部組織まで判別できますので、より正確な位置決めが可能になります。

☆乳房の照射と前立腺への照射について簡単に説明致します。
(患者さんにお渡ししている説明書のご紹介です。)

乳房への放射線治療を受けられる方へ

  • 放射線治療の目的
    乳房の腫瘍の部分切除だけでは、将来的に局所再発が20-30%程度に生じると言われています。部分切除後に放射線治療を行うことにより、局所再発を2-3%程度に抑えることができ、乳房をすべて切除した場合とほぼ同じ効果を得ることができます。ただし、放射線はあてたところ以外には効果はありませんので、転移などを抑制することはできません。
  • 放射線治療の実際
    両腕をあげた姿勢で、手術をした側の乳房全体に放射線をあてます(放射線をあてることを「照射する」といいます)。
    原則的に、月曜日から金曜日までの週5回、合計25回照射します。X線という放射線で、1回2Gy(放射線の単位で、グレイと発音します)、合計50Gyを照射します。もし、切除したすぐ近くに腫瘍細胞があった場合には、腫瘍のあった範囲のみに照射部位を小さくし、電子線という放射線で、さらに5回ほど追加します(合計30回、60Gy)。
    放射線治療の実際
    放射線治療にかかる時間は、治療室に入ってから出るまで、10-15分程度、実際に放射線が出ている時間は1-2分程度で、痛みや熱さなどはまったくありません。
  • 放射線治療の副作用
    放射線治療に伴う副作用は、治療中に起こるものと、治療後数ヶ月から数年後に起こるものに分類されます。
  • 放射線治療中に起こる副作用
    放射線皮膚炎:X線は光の一種なので、日焼けと同じ症状が起こります。治療の後半から、照射部位がやや赤くなったり、ぴりぴりしたりするようになります。治療終了~2週間頃がピークとなり、その後徐々に回復していきます。人によっては、日焼け後のように皮がむけたり、腫れた感じがしたり、熱を持ったりすることもあります。通常はそのままでかまいませんが、ひどい場合には薬を出しますので、お申し出ください。照射部位が汗をかきにくくなることもあります。
    放射線治療中に起こる副作用
    倦怠感、食欲不振:症状のない方が大部分ですが、きつい感じがすることがあります。
    白血球低下:乳房への放射線治療で白血球が低下する可能性はありますが、軽度です。
  • 治療後数ヶ月から数年後に起こる副作用
    手術した側の腕のむくみ:放射線はわきの一部にも当たるため、リンパの流れが悪くなって起こります。以前は数%程度に起こると言われていましたが、最近はリンパ節をとる個数が少なくなったため、以前よりも頻度は少ないようです。
    放射線肺炎:放射線は、手術をした側の肺のごく一部に当たります。大部分の方はどうもありませんが、百~数百人に1人程度、放射線による肺炎が起こることがあります。起こる場合は放射線治療終了後3ヶ月から9ヶ月頃が最も多いと言われています。咳が出たり、熱が出たりしますので、症状がでた場合には、主治医または当院におたずねください。
    心臓の炎症、心臓機能の障害:左に照射する方は、放射線が心臓にわずかに当たりますので、心臓に影響の起こることがありますが、きわめてまれです。
    肋骨骨折:照射部位の肋骨が後に骨折することがありますが、きわめてまれです。
    発癌:放射線は抗癌剤と同じく、発癌作用があると言われていますが、きわめてまれな副作用です。

    *ご不安な点は、なんなりとスタッフにお尋ねください。

前立腺がんの放射線治療を受けられる方へ

  • 放射線治療の目的
    前立腺癌の外部照射は、前立腺(±精のう)に放射線を集中させて治療します。治療成績は手術や小線源療法とほとんど変わらないと言われています。また、放射線治療は、侵襲が比較的軽微で、生活の質(QOL)も比較的高く保つことができるとされています。
    前立腺手術後の放射線治療では、PSAの再上昇を抑制することができます。
  • 放射線治療の実際
    原則的に、月曜日から金曜日までの週5回、合計35~38回(7~8週間)照射します。X線という放射線で、1回2Gy(放射線の単位で、グレイと発音します)、合計70~76Gyを照射します。前立腺手術後の放射線治療では、前立腺のあった範囲に、33回ほど追加します(合計66Gy)。
    前立腺癌の放射線治療では、多分割絞り(下図参照)という装置を用いて、前立腺以外の正常部位になるべく放射線がかからないように、4~7方向から治療されます。
    放射線治療にかかる時間は、治療室に入ってから出るまで、10~20分程度、実際に放射線が出ている時間はさらに短く、痛みや熱さなどはまったくありません。
    放射線治療の実際
  • 治療前の注意

    なるべく、放射線治療前1時間程度は排尿をがまんするよう心がけてください。排尿により膀胱が収縮すると、放射線のあたる範囲に膀胱や小腸が入り込んでくる可能性があり、副作用が強く出ることがあります。また、膀胱がふくらみすぎても、前立腺の位置がずれることがありますので、ご注意ください。

    可能であれば同時に排便、排ガスをすませておいて下さい。直腸がガスや便などでふくらむと前立腺の位置がずれることがあります。

  • 放射線治療の副作用
    放射線治療に伴う副作用は、治療中に起こるものと、治療後数ヶ月から数年後に起こるものに分類されます。
  • 放射線治療中に起こる副作用
    頻尿、排尿痛、排尿困難:治療開始後2週間程度で、トイレの回数が増えたり、排尿時に軽い痛みを感じたりします。多くの場合症状は軽度ですが、個人差があります。きわめてまれですが、一時前立腺が腫れて、尿閉(おしっこがでない)になることがありますので、その時はすぐにご連絡ください。
    排便回数の増加、下痢など:放射線により、直腸の一部が刺激を受け、排便の回数が増えることがあります。また、括約筋がゆるんだ感じがすることがあります。
    直腸、肛門の炎症、出血など:直腸の一部が刺激を受けるため、痔のような症状が起こることがあります。
    倦怠感、食欲不振:あてる範囲がせまいため、ほとんどの方はどうもありません。
    白血球低下:あてる範囲がせまいため、白血球が低下したとしても軽度です。
  • 治療後数ヶ月から数年後に起こる副作用
    直腸の炎症、出血(数~10%程度)など:放射線治療の晩期障害として、数ヶ月から数年後に、直腸から出血(血便)が見られることがあります。万一起こっても、大部分は出血はわずかであり、そのまま様子を見て大丈夫で、やがて改善します。症状がひどい場合には、薬や内視鏡で治療することがあります。直腸の炎症がひどいと、直腸潰瘍(かいよう)を起こすことがありますが、きわめてまれです。
    括約筋のしまりが悪くなり、便をがまんしにくくなることがまれに報告されています。

    *前立腺近くの直腸(特に前壁)は放射線により粘膜が弱くなっていますので、将来的に大腸内視鏡を受ける場合には、前立腺近くの大腸粘膜の生検は原則的に避けてください。潰瘍などができることがあります(照射部位から離れたところは問題ありません)。

    血尿、尿道狭窄(1%程度):まれに血尿が出たり、尿道が細くなったりすることがあります。
    性的機能低下:前立腺のそばを通っている神経に放射線があたるため、数年後に男性機能が低下することがあります。
    小腸の狭窄、腸閉塞(まれ):通常、小腸に放射線があたることはまれです。
    発癌(きわめてまれ):放射線は抗癌剤と同じく、発癌作用があると言われていますが、きわめてまれな副作用です。

    *そのほか、ご不安な点は、なんなりとスタッフにお尋ねください。