診療について

腎センター小児科は小児の腎・泌尿器系疾患を取り扱っています。
学校検尿で発見された血尿やたんぱく尿、また、むくみや血尿を伴う腎臓病や、風邪などで偶然に発見される腎臓病、様々な原因による尿路感染症の精密検査、腎臓病の腎生検並びに治療、移植患者さんの管理などを行っています。

腎臓のしくみ

腎臓は体の中の不要なものを体の外に出す・あるいは調節する器官として重要な働きをしています。この中には、水、電解質(ナトリウム、カリウムなど)、酸、老廃物などがあります。
このために、充分なゆとりを持って作られています。逆に、なかなか症状が現れにくく、ゆっくりと悪化した場合には一般の健康人の1/3程度の腎機能になって初めて、疲れやすいなどの自覚症状が出てきます。こうなってからではなかなか回復が難しいことも多いので、もっと早く対応をすることが必要です。このために、学校などで尿検査が行われています。
腎臓の中には「糸球体」という血管の小さな固まりが1つの腎臓におよそ100万個以上もあり、そこで血液の中から尿の元になる「原尿」が作られます。大人では一日100リットルもの原尿が作られるといわれています。これを糸球体からつながった「尿細管」で必要なものを再吸収したりまた、排泄したりしながら調節し、毎日およそ1リットルの「尿」とします。この「糸球体」や「尿細管」が炎症を起こすことを「腎炎」といいます。
尿は腎臓をでると、尿管、膀胱、尿道を通って出てきます。「血尿」「たんぱく尿」や「白血球尿」は尿の通り道のどこかに変化が起こっているときにみられます。

尿の所見について

尿の所見 解  説
血尿

尿に血液が混ざる状態で、「急性腎炎」「慢性腎炎」「結石」「膀胱炎など尿路の感染症」「血管の障害」などが考えられます。血尿といわれた方も多くの場合には目で見ても血尿があるかどうかはわかりません。また、自覚症状もない方がほとんどです。

たんぱく尿

尿にタンパクが漏れる状態で、「腎炎」や「ネフローゼ症候群」が考えられ、将来、透析などの必要がある場合もありますが、問題のないたんぱく尿として、「体位性(起立性)たんぱく尿」も学童期には多くみられます。

円柱尿 「円柱」とは、腎臓の中にある「糸球体」から漏れた蛋白などが「尿細管」につまり、またそれが尿に流れ出てきたもので、顕微鏡にみると柱状に見えるためにこう呼ばれます。これが見つかると「腎炎」があるという証拠になります。
白血球尿(膿尿) 尿に白血球が混ざった状態です。膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路の感染症が考えられます。手術を必要とするような病気がもとにあることもあります。

早朝尿をお持ちください。

腎センター小児科を受診される方は早朝尿をお持ちください。
午後の腎外来にこられる場合は、尿の変質を防ぐために、朝とった尿をきれいな容器に入れ冷蔵保存しておいてください(クーラーバッグなどに保冷剤と一緒に保管してください)

早朝尿の取り方

前の日は就寝直前に排尿し膀胱をからにしておきます。朝起きたら、まっすぐにトイレへゆき、出始めのおしっこを少し捨てて、途中から尿をとります。10ml程度あると検査ができます。
尿の容器は小児科外来に準備しています。ナースにお尋ねください。容器をお持ちでない方は、きれいに洗ったビンかペットボトルなどに10~20ml入れてお持ちください。夏場は変質することがありますので、できましたらクーラーバッグで保冷剤をいれて冷やしてお持ちください。
検査日に生理になった場合(なりそうな場合)には、お薬が足りなくならない範囲で予約変更をしてください。

外来での検査

検査項目
尿検査 早朝尿

早朝尿は安静時の腎臓の働きが評価できます。腎炎の診断の上で大変重要な検査です。早朝尿の取り方、注意を上に説明していますのでご参照ください。

生化学検査

尿の成分の検査です。クレアチニン、蛋白定量、カルシウム、β2ミクログロブリン、NAGなどの項目を測定します。糸球体・尿細管の機能の評価に重要です

立位負荷 たんぱく尿の原因として、体位性(起立性)たんぱく尿がしばしば含まれます。この検査を外来で行います。胸を張った姿勢でしばらく立ってもらい、その後の尿をとります。
尿培養 尿路感染症の検査です。尿の中にどのような菌がどれくらいいるかを調べます。消毒した後にとりますから、必ずナースに取り方を確認してからとってください。
血液検査 腎臓の病気では、腎機能だけでなく、貧血や肝機能、電解質、免疫系検査などの評価が必要となります。また、血液ガスなども必要に応じて測定します。
超音波検査 腎臓の形態、血流状態などが評価できます。尿路奇形の一部も評価することができます。腎結石も発見できます。膀胱の形もみるので、検査まで尿を我慢してください。
腎盂造影 腎盂・尿管・膀胱の形態がわかります。尿の流れ方に問題がないか、膀胱の形に異常がないかなどがわかります
排泄性膀胱造影 腎盂腎炎を起こされたお子さんでは、しばしば尿が膀胱から腎臓へ逆流していることがあります。膀胱に造影剤をため、逆流が起こっていないかどうかを確認します。
CT検査 腎臓、尿管などの状態を断層撮影にて詳細に検討します。
RI検査 左右の腎臓の機能をそれぞれに比較したり、腎臓の中の機能の状態(萎縮などの存在)の確認ができます。

腎・尿路の病気(主なもの)

  • 1.腎炎・ネフローゼ
     a)急性糸球体腎炎
      (溶連菌感染後急性糸球体腎炎)
     b)慢性糸球体腎炎
       IgA腎症など
     c)ネフローゼ症候群
       微小変化群、
       巣状糸球体硬化症
       膜性増殖性糸球体腎炎
       膜性腎症など
     d)遺伝性腎炎
       Alport症候群
       良性家族性血尿など
     e)間質性腎炎
       シェーグレン症候群
       急性間質性腎炎など
     f)全身性疾患
       ループス腎炎
       紫斑病性腎炎など
  • 2.無症候性血尿・蛋白尿
     a)無症候性血尿
     b)無症候性蛋白尿
     c)無症候性血尿・蛋白尿

    3.尿路感染症・尿路奇形
     a)膀胱炎
     b)腎盂腎炎
     c)膀胱尿管逆流現象
     d)水腎症
     e)ナットクラッカー現象
     f)低形成腎・異形成腎など

    4.尿細管疾患・その他
     a)体位性たんぱく尿
     b)高カルシウム尿症
     c)特発性腎出血など

腎生検について

腎臓病の種類とその程度を直接診断する手段として、腎生検は腎臓病の診断と治療に不可欠のものです。一方で、腎臓は血液の濾過装置であり、検査を行うことで多量の出血や感染などが起こる危険も伴います。当院ではお子様にとってより有益であると判断される場合のみに腎生検を行うようにしています。
当院では、基本的には超音波ガイドによる針腎生検を行っています。お子さんの状態にあわせて、鎮静や痛み止めを行い、できるだけお子さんの痛みが少なくなるよう工夫をしています。
入院期間は前後あわせておよそ一週間です。

腎生検のおよそのスケジュール

※状態にあわせてスケジュールを作成します。

学校検尿について

検査結果により、学校生活管理指導表を用いて学校生活における運動の指導を行います

腎臓病関連サイト