診療について

急性糸球体腎炎とは

血尿、蛋白尿などの尿所見が突然出現して発症する腎炎をよび、急性腎炎とも呼ばれます。
小児では溶連菌感染後急性糸球体腎炎が多く、5~12歳までのに多く、3歳未満ではほとんどみられません。

急性糸球体腎炎の診断

次のような症状や所見、検査結果をあわせて診断します。

  • 腎疾患、高血圧の既往がない
  • 臨床および検査所見から全身性疾患、たとえば全身性エリテマトーデス(SLE)を否定できる
  • 扁桃炎その他の感染症状が先行する
  • その2~4週後に蛋白尿、血尿、乏尿、浮腫、高血圧などの急性腎炎症候群が出現する
  • 血清ASOが高値を示す。
  • 血清補体価(C3またはCH50)が低下する

急性糸球体腎炎の原因

溶連菌感染後糸球体腎炎:A群β溶血性連鎖球菌の腎炎惹起株(M type 1, 4, 6, 12, 18, 25, 49, 55, 57,60など) 感染後、一定の潜伏期をおいて発症するとされます。
急性咽頭炎罹患1~2週間後(平均10日) M12など
皮膚化膿症罹患3~6週間後(平均20日) M49など
腎炎を惹起させる溶連菌抗原(説) cationic cysteine proteinase exotoxin B (SPE B)、plasmin receptor, a glyceraldehyde phosphate dehydrogenase (Plr, GAPDH)などが考えられています。
その他の感染による急性腎炎:エルシニア、ブドウ球菌、マイコプラズマ、B型肝炎ウイルス、水痘ウイルス、インフルエンザウイルス、トキソプラズマ、プラスモジウムなども急性腎炎を起こすことがあります。

急性糸球体腎炎の症状と治療および経過

肉眼的血尿がある、なしにかかわらずほとんどの方に尿潜血があります。高血圧や浮腫が認められることが多く、急性期にはこれらによる症状が現れることがあります。特に、けいれんや不整脈などに注意します。このため、入院して頂くことが多くなります。
安静と食事療法(塩分制限や水分制限など)を行います。
高血圧には降圧剤や利尿剤、尿量が少ないときには、利尿剤を使うことがあります。
感染があればその治療を行います。
急性期を乗り切ると、次第に制限を緩めます。
血尿は半年程度続くことも多いのですが、1年以内にほとんどの方が回復します。
治る可能性が高い病気ですから、急性期の管理が特に大切です。

2006-12-6開設 2019-03-22改訂