外科(移植外科・腎不全外科)

外科

移植外科

当院は慢性腎不全の治療の一環として腎移植(生体腎移植、献腎移植)も積極的に行っており、1981年に第1例を施行して以来、現在までに280例以上を数えています。

生体腎移植ではドナーの手術に早くから腹腔鏡による腎採取術を取り入れ、提供者の方の負担を最小限にし、術後疼痛の軽減や入院期間の短縮に役立っています。手術創の閉鎖はドナー、レシピエントともに皮内埋没縫合で行っており、抜糸不要のきれいな傷で好評を頂いています。

腎移植では免疫抑制剤を使用するため、術後の感染症対策は非常に大切です。当院には集中治療室および移植病棟にクリーンルームが完備しており、患者さんは安全に術後を過ごすことができます。また、術後の拒絶反応の診断に重要な、超音波検査による移植腎血流の測定や、腎移植の生検なども積極的に取り入れています。

当院での腎移植患者さんは外科、腎臓内科、移植コーディネーター、薬剤師、検査技師、栄養士の協力のもと、病院横断的に移植チームとして診療を行っています。移植患者さんを全員で回診し問題点を検討する移植チームラウンドを毎週行い、外科・内科の医学的視点からの検討のみならず、移植コーディネーターから提起された問題点などを多角的に検討し、腎移植を必要とする患者さんの術前から術後経過観察までを全人的にサポートしています。当院は2011年に九州初のレシピエント移植コーディネーターを設置し、早くから患者さんに寄り添って移植チームへの情報提供や細かな生活指導を行っており、患者さんからの評判も良好です。腎移植は手術が成功すれば終わりではなく、それからの管理が長期成績には重要です。当院は移植チームで対応することで、外来通院中の患者さんも総合的に診療することが可能で、腎移植後の長期予後も大変良好となっています。

さらに当院は全国でも有数の移植免疫検査センターを有しています。当院の移植免疫検査室は、日本臓器移植ネットワークの基幹検査センター(全国18施設)として認定されており、九州からのみならず全国から脳死・心停止臓器移植時や生体移植のHLA検査やクロスマッチ検査を受託し、数多くの検査実績を有しています。また、Flow cytometryやLuminexといった最新機器もいち早く導入しており、当院では極めて精度の高い抗体検査やクロスマッチ検査を迅速に行うことが可能で、移植成績の向上に寄与しています。
 

当院での腎臓移植への取り組み

 

腎不全外科

当院には腎センターがあり、慢性腎不全の患者さんの手術を積極的に行っています。

年間手術症例(2016年)は、腎移植16例、その他の透析患者さんの手術35例(消化管18例、肝胆膵4例、副甲状腺1例、乳癌2例、その他10例など)でした。

腎不全患者さんは腎臓という重要臓器の臓器不全のため、一般の患者さんとは異なった特殊な管理が必要であり、特に術前・術中・術後の管理には細心の注意が必要です。

腎不全患者さんの手術を安全に行うためには透析室スタッフ、腎臓内科、外科の総合力が重要で、各部門の密接な連携が必要不可欠となります。
そこで我々は透析室のカンファレンスに毎週出席して、透析室スタッフ、腎臓内科、外科のそれぞれ専門の意見を出し合い、患者さんにとって内科・外科の垣根のない最善の治療ができるように心がけており、腎不全患者さんが安心して手術を受けられる環境を整えています。そのため近隣の病院からも腎臓病を合併している患者さんを多数御紹介いただいています。

また、維持透析中の患者さんに緊急手術が必要となった際は、他院ではしばしば困難な術前・術後の緊急透析、術中・術後の管理などがスムーズに連携して行える体制を構築しています。