令和6年度 福岡赤十字病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,235 295 502 779 1,148 1,566 2,401 4,018 2,794 816
当院の2024年度における、10歳ごとの年齢階級別患者数を示した表です。
一番多いのは70歳代の患者さんで、全体の約26%を占めています。
次いで80歳代が約18%、60歳代が約15%となっています。
生活習慣病に起因した心臓病・脳卒中・腎不全・糖尿病や、がんに対する治療を積極的に行っているため、60歳以上の退院患者さんが特に多くなっています。
また当院は周産期医療にも力を入れており、分娩の件数も多くなっています。これに伴い、新生児患者数も多い傾向にあります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 403 2.16 2.57 0.00% 68.67
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 46 8.72 9.27 10.87% 74.09
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 44 7.16 7.45 0.00% 75.77
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 39 6.44 7.60 5.13% 57.92
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 37 7.27 9.08 8.11% 63.95
胃や大腸はがんの好発部位であり、当科では大腸ポリープや消化管に発生する早期がんに対して内視鏡治療を積極的に行っています。
また、大腸憩室炎、憩室出血、腸閉塞、出血性胃十二指腸潰瘍など急性に発症して緊急入院となる疾患も多く、オンコール体制で迅速に診断と治療を開始し、早期退院を目指しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 268 9.01 11.35 2.61% 65.68
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 96 5.23 7.38 1.04% 67.80
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 68 3.87 7.83 1.47% 65.25
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 64 12.84 13.75 9.38% 69.58
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 64 6.72 6.01 0.00% 47.48
当科は近隣の腎疾患に対する中核施設的な役割を果たしており、腎炎やネフローゼ症候群の診断や治療に始まり、慢性腎臓病の原因の特定やその治療、末期腎不全に至ってしまった際の腎代替療法(血液透析・腹膜透析)の開始、腎代替療法に伴うトラブルまで、様々なステージに対する診療を行っています。
そのため、腎生検やそれにより診断がついた疾患に対する治療のための入院、慢性腎臓病の精査・教育入院、腎代替療法を開始する準備のための手術入院、腎代替療法開始のための入院、バスキュラーアクセスや腹腔内カテーテルトラブルに対する手術のための入院などの頻度が高くなっています。
糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 194 9.81 13.77 13.92% 66.19
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 130 7.74 10.46 0.00% 62.40
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 13 9.54 12.60 30.77% 58.15
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 12 15.17 20.78 50.00% 83.67
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 4.42 5.35 0.00% 49.67
糖尿病・代謝内科では7日間コースの糖尿病教育入院を実施しているため、全国の平均在院日数よりも短くなっています。
また同じ2型糖尿病患者でも、インスリンを導入する患者さんでは指導や手技習得に時間を要するため、平均在院日数が長くなります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 372 4.19 4.47 0.54% 67.17
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 142 4.21 4.18 0.00% 69.46
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 111 16.05 17.33 26.13% 84.82
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 70 17.91 21.55 12.86% 78.60
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 52 10.10 9.59 7.69% 79.79
循環器内科では、高齢者の代表的心疾患である狭心症、慢性虚血性心疾患、不整脈のカテーテル手術、心不全が上位を占めています。
狭心症の検査並びに治療に際しては積極的に橈骨動脈アプローチを採用し、より低侵襲な検査、治療を目指しています。
いずれも術後1-3日で早期退院が可能です。
心不全に関しては、その経過は原因となる心疾患およびその重症度により異なるため、在院日数は患者さんによって様々ですが、原因心疾患に対する治療および標準的薬物治療のみならず、心臓リハビリテーションを積極的に取り入れ、心不全再入院予防に取り組んでいます。
また当院は糖尿病、末期腎不全患者さんを多く診療しているため、閉塞性動脈硬化症に対する診療も数多く行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 109 2.37 3.03 0.00% 71.50
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 67 17.39 16.40 35.82% 81.60
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 51 17.37 20.78 62.75% 85.25
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり 34 17.26 18.72 5.88% 72.29
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 31 14.03 13.41 38.71% 77.16
疾患の内容はほぼ例年通りでした。
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060350xx99x0xx 急性膵炎、被包化壊死 手術なし 手術・処置等2なし 33 12.70 10.54 12.12% 65.76
060050xx04xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 28 9.71 7.32 0.00% 71.39
060270xx99x0xx 劇症肝炎、急性肝不全、急性肝炎 手術なし 手術・処置等2なし 22 11.64 11.41 4.55% 48.77
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 5.33 8.13 4.76% 67.29
060300xx03x0x0 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術等 手術・処置等2なしChild-Pugh分類 A(5点又は6点) 21 8.71 10.15 4.76% 68.81
肝疾患の入院患者の多くは、肝硬変の合併症である栄養異常、腹水・胸水貯留、肝性脳症、食道・胃静脈瘤、免疫力低下による各種感染症、そして肝癌です。
ウイルス性の肝障害は減少しています。B型肝炎・C型肝炎に対する抗ウイルス療法は外来で行っています。
アルコール性、代謝異常関連脂肪性肝疾患/肝炎は増加しています。
ほか自己免疫性や薬物性などの肝障害があります。
肝・肝内胆管の悪性腫瘍に対しては、外科・放射線科と共同で診療にあたっています。
内科入院では、経皮的な局所療法としてラジオ波焼灼療法(RFA)やエタノール注入療法(PEIT)、血管塞栓術として肝動脈化学塞栓療法(TACE)、全身化学療法(テセントリク・アバスチン、イミフィンジ・イジュド、オプジーボ・ヤーボイ、レンビマなど)、放射線療法を行っています。
胆石、胆嚢炎・胆管炎・膵炎、胆嚢癌・胆管癌・膵癌などは増加傾向にあり、当院外科と連携して診療を行っています。
胆嚢炎と胆管炎は診断群を区別しています。
上記のほか、肝胆膵の末期癌、巨大肝嚢胞・肝嚢胞内感染・肝膿瘍、腹腔・後腹膜腔疾患などの対応を行っています。
血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等25あり 113 9.25 14.69 4.42% 70.12
130030xx99xcxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2Cあり 57 9.75 10.60 5.26% 65.04
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等29あり 52 12.90 12.45 1.92% 77.44
130030xx99xbxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2Bあり 52 12.71 12.23 0.00% 68.81
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 47 16.91 19.30 0.00% 71.02
血液・腫瘍内科では、多発性骨髄腫が最も多く、次いで非ホジキンリンパ腫、急性白血病が多くなっています。
この上位3つが全て血液腫瘍疾患であり、抗がん剤による化学療法を施行しているため、平均在院日数は他の疾患より長い傾向にあります。
但し、全国平均に比べても短くコントロールされています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 71 14.75 16.89 46.48% 72.55
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 68 13.85 16.94 39.71% 75.72
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 7.00 6.89 26.32% 66.16
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 18 7.89 15.94 11.11% 37.22
010060xx99x21x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病あり 16 26.69 30.25 68.75% 80.44
脳神経内科では神経疾患全般の診療を行っていますが、当院は地域の拠点となる高度急性期病院という性質上、入院患者数では神経救急疾患が主体となっています。
なかでも虚血性脳血管障害(脳梗塞)が入院数の70%ほどを占めており、その次にてんかん、さらには髄膜炎・脳炎などの神経感染症と続きます。
脳梗塞を生じると、程度は様々ですが麻痺や嚥下障害、感覚障害、失語などの身体機能の障害を遺すことが多い為、急性期治療後はリハビリテーションの継続を目的とした回復期病院への転院が必要となります。
このためにスムーズな患者情報の伝達と転院調整を図っており、その結果として当院では全国平均と比較して入院期間の短縮が得られています。
膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 72 17.54 14.93 15.28% 65.28
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 21 18.14 16.40 23.81% 82.33
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし 13 13.31 15.00 23.08% 71.54
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 4.25 4.67 8.33% 68.92
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 12 13.08 13.66 25.00% 75.25
膠原病内科では、主に関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの、全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患に対する入院診療を行っています。
また、尿路感染症や蜂巣炎などの一般内科入院となる患者に対する治療も適宜行っています。
自己免疫疾患に対しては、ステロイド、免疫抑制剤による従来の治療に加え、生物学的製剤などによる新規治療を積極的に取り入れ、より良い医療を提供できるよう努めています。
感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 38 16.95 16.40 50.00% 84.68
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 27 20.63 20.78 74.07% 87.56
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 16 19.69 20.06 43.75% 82.31
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 15.27 13.66 27.27% 69.45
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - - - -
高齢者の誤嚥性肺炎や新型コロナウイルス感染症に併発した肺炎、尿路感染症の入院が増加しています。これらの疾患では入院期間が長期化しやすい傾向にあります。そのため、多くの患者さんの入院を受け入れられるよう、当院ではクリニカルパスを導入し、診断から治療、リハビリ、退院支援までをチームで効率的に進め、入院期間が短縮できるよう取り組んでいます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 162 4.94 8.88 4.32% 75.37
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 69 11.78 14.81 7.25% 73.42
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 65 4.77 4.54 0.00% 70.85
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 65 9.65 9.77 3.08% 63.65
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 53 2.42 3.64 0.00% 53.45
当院外科では食道、胃、小腸、結腸・直腸、肝臓、胆嚢、膵臓、乳腺、肺の悪性腫瘍はもとより、腎移植手術や胆石症や鼠径ヘルニアなどの良性疾患に対する手術、また急性虫垂炎、消化管穿孔などの緊急手術も数多く行っています。
胃がん、結腸がん、直腸がん、肝臓がん、肺がんの手術は症例数も多く、腹腔鏡・胸腔鏡・ロボット支援下での低侵襲手術が主体です。
これまでは胃がん、直腸がん、肺がん手術を主体にロボット支援下で行ってきましたが、最近では結腸がんに対するロボット支援下が増加傾向です。
総胆管結石に対する内視鏡治療は症例数も多い上に、在院日数は全国平均よりも約4日間短く、患者さんの早期社会復帰に役立っています。
いずれの手術でも在院日数は全国平均に比べて同等かあるいは短く、治療経過が順調であることを物語っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 5.13 9.59 0.00% 80.69
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり 16 22.13 18.74 0.00% 74.44
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 11 25.36 20.84 0.00% 72.00
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり - - - - -
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等21あり - - - - -
心臓血管外科で多い症例は、ペースメーカー電池消耗に伴う、本体交換術、腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術、心臓弁膜症に対する人工弁置換術や弁形成術、虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス手術、胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術などでした。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 34 6.38 7.99 26.47% 73.65
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28 11.39 11.90 35.71% 78.82
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 13.73 18.68 59.09% 67.23
010030xx991xxx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 19 2.00 2.86 5.26% 60.74
050170xx9910xx 閉塞性動脈疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 14 2.00 3.61 0.00% 54.36
頭蓋・頭蓋内損傷は、軽傷頭部外傷から意識障害を伴う重症患者まで治療しています。
非外傷性頭蓋内血腫は一般に脳出血といわれ、原因は主に高血圧です。脳卒中の約20%を占めます。
治療は通常内科的に行いますが、出血量の多い場合には内視鏡を使用して血腫除去を行います。2週間の急性期治療後は、脳血管障害地域連携パスにより引き続きリハビリ治療を専門に行う回復期病院へご紹介しています。
脳の動脈(径1~6mm)にできる風船のようなふくらみを脳動脈瘤といいます。このような瘤のできる理由は明確にはなっていませんが、高血圧や血流分布異常などの血管壁へのストレスや、喫煙、遺伝などによる動脈壁の脆弱性に関連すると考えられています。成人の2~6%(100人に数人)にこのような瘤が発見され、たまたま脳のMRIやCT検査を受けたり、脳ドックを受けたりして見つかる場合がほとんどです。脳動脈瘤は脳の底部の血管の分岐部にできることが多く、中大脳動脈、内頚動脈、前交通動脈、脳底動脈などが代表的な発生部位です。大きさは径2mm程度の小さなものから25mm以上の大きなものまでできますが、75%以上は10mm未満の大きさです。
現在動脈瘤の治療は慎重に経過を追うという方法、開頭によるクリッピングと呼ばれる手技、脳の血管の内側から動脈瘤やその本血管にコイルやバルーン・ステント等をつめる血管内手術があります。
当院では血管内手術を第一選択として治療を行っています。ただし、動脈瘤の部位・形状により開頭によるクリッピング術を選択する場合もあります。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 27 3.81 6.92 0.00% 78.33
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 26 11.65 12.98 0.00% 61.69
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし 23 2.87 4.65 0.00% 52.74
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 20 8.10 9.33 0.00% 66.95
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし - - - - -
皮膚科では、皮膚の良性・悪性腫瘍に対する手術が多くなっています。
帯状疱疹が多く、急性膿皮症の症例は、ほとんどが蜂窩織炎です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 129 4.03 4.29 0.78% 76.95
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 122 2.08 2.49 0.00% 73.94
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 17 4.24 5.47 0.00% 70.18
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼 13 4.85 5.89 7.69% 58.77
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり片眼 - - - - -
眼科では、約90%を白内障の患者さんが占めています。
次に網膜前膜などの黄斑疾患の患者さんが多い結果となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 221 21.27 25.29 90.50% 81.89
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 132 16.62 18.76 31.06% 69.92
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 75 16.21 15.41 28.00% 71.53
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 66 10.12 19.16 89.39% 80.35
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 65 7.62 5.95 12.31% 61.08
高齢者に生じやすい脆弱性骨折の代表である大腿骨近位部骨折に対する手術例数は200例以上で、福岡市内の病院でもトップレベルの症例数を治療しています。平均年齢は80歳を超え内科的疾患など合併症のある重症な患者さんが多く、内科や麻酔科の先生方と協力して治療にあたりチーム医療を実践しています。術後は早期からリハビリテーションを開始し、全身状態が落ち着けば地域の病院と連携して、引き続き継続したリハビリが行えるような地域ネットワークを形成しています。
股関節や膝関節における人工関節置換術では、正確な手術手技を実施し術後早期からの歩行訓練や筋力訓練を可能として、歩行機能の改善が得られています。特に人工股関節全置換術(THA)では術後早期の機能回復と脱臼予防を目的として筋腱温存の仰臥位・前側方アプローチ(ALS)で手術を行い、術直後から禁忌肢位などの制限なく生活できるような手技を行っています。
股関節以外の骨折治療も多数行っており、適切な手術を行い早期の社会復帰を目指した治療を実施しています。
脊椎疾患の治療も専門性を生かした治療を行っています。MRIやCTなど画像所見を参考にするのは当然ですが、患者さんの訴えをよく聴き綿密な診察を行うことで疾患の本質を慎重に診断し、最も適した治療法・手術術式を決定しています。脊椎の骨折に対しても骨折型や患者さんの全身状態を勘案して、手術をせず保存療法で対処する場合もありますが、侵襲の少ない手術手技である透視下経皮的脊椎固定術も行っており、安静臥床期間の短縮と早期のリハビリ開始を実践しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 120 6.05 5.88 0.00% 46.88
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 107 5.85 5.97 0.00% 41.43
120010xx99x30x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 定義副傷病なし 101 2.99 4.12 0.00% 58.39
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 100 2.18 2.92 0.00% 37.41
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 89 7.44 9.40 0.00% 33.75
手術としては子宮・卵巣の良性腫瘍に対する腹腔鏡手術と帝王切開術が多く、手術以外では卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がんに対する化学療法が多くなっています。
それぞれの疾患に対応したクリニカルパスを利用して、質の高い医療を効率的に提供しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 168 3.57 6.11 1.79% 0.00
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 116 5.07 5.61 0.00% 5.90
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 108 4.94 6.22 0.00% 1.45
150070x1xx01xx 川崎病(2歳未満) 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 78 7.18 9.41 1.28% 0.58
150070x0xx01xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 65 7.02 9.72 0.00% 3.68
川崎病の患者さんが多く入院しています。
気道感染による入院数が増加しています。
新生児は早産児、呼吸障害などの診療を行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 94 6.89 7.35 0.00% 22.46
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 68 4.47 5.84 0.00% 52.85
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 36 5.22 5.63 0.00% 33.75
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術等 31 4.32 6.06 0.00% 41.29
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 28 5.29 6.68 0.00% 51.89
耳鼻咽喉科では扁桃疾患が例年通り最多ですが、咽喉頭炎(扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎)も多い傾向のままです。この数年中耳炎等の難聴に対する手術目的紹介件数が増加しています。慢性副鼻腔炎の症例数は安定しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし 21 4.62 4.65 0.00% 47.90
160200xx030xxx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし - - - - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし - - - - -
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患 その他の手術あり 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし - - - - -
070570xx970xxx 瘢痕拘縮 その他の手術あり 手術・処置等1なし - - - - -
本集計に掲載されない取り扱いが少ない症例に関しても診療取り扱い分野の拡大が進んでいます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 133 2.19 2.45 0.00% 72.30
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 95 4.46 5.16 0.00% 63.48
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 87 1.61 4.07 3.45% 69.76
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 75 6.09 6.63 2.67% 74.35
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 47 4.81 7.30 12.77% 74.87
2024年度に泌尿器科でDPC症例数の多かった疾患は、前立腺生検を行った前立腺がんの疑い症例、経尿道的尿路結石除去術(TUL)を行った腎・尿管結石症例、経尿道的尿管ステント留置術を行った尿管狭窄や水腎症の症例、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行った膀胱がん症例の順となっています。
いずれも泌尿器科では外来受診の多い疾患で日常的に行っている検査や手術となります。
比較的身体への負担の少ない検査・手術を行う疾患群であり、入院期間も短く、全国平均以下となっています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13 16.46 13.66 30.77% 76.54
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし - - - - -
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - - - -
030245xxxxxxxx 伝染性単核球症 - - - - -
070510xx99xxxx 痛風、関節の障害(その他) 手術なし - - - - -
近年の高齢化社会に伴い、尿路感染症や肺炎を診療する機会が増えています。高齢者は併存疾患も多く、入院期間が長期化しやすい傾向にありますが、栄養管理やリハビリ介入を早期に行うことで早期退院に努めています。一方、若年者では伝染性単核球症などのcommon diseaseなどを経験します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 56 17 5 10 12 13 1 8
大腸癌 43 48 46 32 16 27 1 8
乳癌 94 62 27 8 6 11 1 8
肺癌 44 13 36 123 13 38 1 8
肝癌 9 12 12 11 5 45 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では退院患者さん全体の約18%が、がんに対する治療を行った患者さんです。
表は5大がん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)の初発患者さんについて、UICC(国際対がん連合)によるTNM病期分類を用いてがんの進行度別患者数を示しています。
StageⅠに近いほどがんが限局し早期の状態で、StageⅣに近づくにつれ転移などがある進行した状態となります。
当院では肺がん・大腸がんが最も多く、その中でもStageⅢやStageⅣが多くを占めており、重症の患者さんが多いことが分かります。
また胃がん・乳がんは、入院ではなく外来で化学療法を行うことも多く、退院患者数は少ない傾向にあります。
肝がんは再発に対する診療の割合が高く、生活の質を落とすことなく、また予後や生存率も高められるよう慎重に診療を行っています。
※「不明」についてはがん疑いの検査目的で入院し、入院中に検査結果が出なかった症例を含みます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 35 8.86 47.14
中等症 183 14.52 74.77
重症 46 15.76 82.59
超重症 11 20.64 82.45
不明 0 0.00 0.00
成人(20歳以上)の肺炎を重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示した表です。
市中肺炎ガイドラインの重症度分類システム(A-DROPシステム)を用いて、重症度別に計上しています。
A-DROPシステムとは、肺炎の重症度を ①年齢 ②脱水状態 ③動脈血酸素飽和度 ④意識障害 ⑤収縮期血圧 の5つで評価したものです。
中等症以上は平均年齢が75歳以上となっており、重症以上は平均年齢が80歳を超えており、年齢が高いほど肺炎が重症化しやすいことが分かります。
肺炎には様々な病型があるため、当院では慎重に抗菌薬を選択して治療を行い、早期の症状改善を目指しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 223 17.23 75.26 47.16%
その他 6 28.33 77.67 0.87%
当院は地域の拠点の高度急性期病院として多数の救急患者の診療に当たっており、脳梗塞の中でも急性期の患者さんの入院が多くを占めていることが見て取れます。
脳梗塞を生じると、程度は様々ですが、麻痺や嚥下障害、失語などの身体機能の低下を来すことが多いため、急性期治療後はリハビリ継続の目的で回復期病院へ転院される方が多くおられます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 354 0.12 1.04 0.00% 68.82
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 57 0.12 1.04 0.00% 68.44
K654 内視鏡的消化管止血術 56 0.77 8.36 35.71% 74.30
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 54 0.50 7.74 12.96% 75.59
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 37 0.11 6.19 0.00% 75.46
大腸ポリープは、大きくなるほど病変の一部にがんが発生していることが多いため、確実な内視鏡治療が必要です。大腸がんへの進展を予防するため、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を積極的に行っています。また、食道、胃、大腸に発生した早期がんに対し正確な診断を行い、内視鏡的粘膜下層剥離術を実施しています。
出血性胃十二指腸潰瘍や大腸憩室出血などの消化管出血は、高齢者の場合は種々の合併症を有することも多いため慎重な対応が必要です。当科ではオンコール体制で体に負担の少ない内視鏡的消化管止血術や小腸結腸内視鏡的止血術を迅速に行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 186 0.05 0.13 0.00% 70.12
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 133 4.53 6.05 8.27% 69.58
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 30 0.03 0.77 3.33% 74.07
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 16 3.13 5.69 0.00% 60.88
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 10 3.30 12.10 10.00% 67.20
当科は近隣の腎疾患における中核施設としての役割を担っています。
従いまして、末期腎不全患者さんに腎代替療法を開始させていただくことが多く、その準備として血液透析に対しては内シャント造設術、腹膜透析に対しては、カテーテル腹腔内留置術を施行する頻度が高くなっています。
また、安定した血液透析患者さんでも内シャントが狭窄したり、閉塞したりすることがあり、そのような患者さんのご紹介を受けて、経皮的シャント拡張術を行いますので、その頻度が高くなっています。
また、内シャント造設の際に自己の血管だけで造設できない患者さんには、人工血管を使用したバイパス術を行い、内シャントを造設します。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 361 2.01 4.15 1.94% 69.86
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 111 2.68 3.17 2.70% 69.71
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 55 2.91 9.09 7.27% 80.29
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 50 1.44 2.78 2.00% 55.46
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 42 0.00 14.43 14.29% 73.98
循環器内科にて行う手術には、カテーテル心筋焼灼術、冠動脈ステント留置術(待機的、急性心筋梗塞、不安定狭心症)が上位を占めています。これは高齢化および欧米化した生活習慣に起因していると思われます。
カテーテル心筋焼灼術は4~5日の入院で施行可能で、不整脈でお困りの患者さんにおいて効果を上げています。
待機的冠動脈ステント留置術に関しては通常の場合、術前日に入院していただき、術後は2-3日で退院可能となりますが、急性心筋梗塞症例に関しては急患で処置を行うことがほとんどであるため、ほぼ全例で入院当日にステント留置術を行います。
術後在院日数は心筋梗塞の重症度、合併症により異なりますが、心臓リハビリテーションを行いつつ、高血圧、脂質異常症、糖尿病など動脈硬化の原因となりうる疾患に対する治療も同時に行わなければならないため、在院日数は若干長くなります。
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2cm以内のもの その他のもの 21 1.48 7.00 0.00% 71.05
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 20 1.80 5.95 0.00% 69.00
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 12 1.00 11.58 0.00% 78.75
K533 食道・胃静脈瘤硬化療法(内視鏡によるもの)(一連として) 11 2.09 5.27 9.09% 66.00
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
食道・胃静脈瘤の処置は状態に応じて、内視鏡的静脈瘤結紮療法(EVL)、内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)を施行しています。入院期間はいずれも7~8日です。
肝・肝内胆管の悪性腫瘍の処置は状態に応じて、経皮的な局所療法としてラジオ波焼灼療法(RFA)、血管塞栓術として肝動脈化学塞栓療法(TACE)などを施行しています。
ラジオ波焼灼療法は、2cmを超えるものと2cm以下のもので診断群を区別しています。
入院期間はラジオ波焼灼療法は4~6日、血管塞栓術は7~8日です。
胆・膵の処置は状態に応じて、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)、経皮経肝胆道ドレナージ(PTGBD)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)などを施行しています。
入院期間は病状によって1~4週間になります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 131 0.76 6.02 6.11% 76.05
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 88 1.15 3.42 1.14% 64.31
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 69 2.65 8.96 8.70% 73.14
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 54 1.00 7.31 3.70% 64.48
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 48 1.00 3.21 0.00% 61.58
外科では総胆管結石症や閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ステント留置術を緊急時も含め、積極的に行っています。
また手術では腹腔鏡下胆のう摘出術が多いですが、大腸がんを筆頭に、食道がん、胃がん、肺がん、肝臓がん、膵臓がんの手術、腎移植手術も数多く行っており、大半が内視鏡手術やロボット支援下手術です。
当院の特徴としては、ロボット支援下手術を含めて低侵襲な内視鏡手術が多く、患者さんの負担を軽減し、早期の退院と社会復帰が実現できるように多職種で構成されたチームで日々取り組んでいます。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 30 1.63 3.63 0.00% 83.13
K5602 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 弓部大動脈 15 8.40 37.93 40.00% 76.60
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 11 7.27 25.00 9.09% 68.09
K5551 弁置換術 1弁のもの - - - - -
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 - - - - -
心臓血管外科で多い手術は、ペースメーカー交換術、弓部大動脈瘤に対する弓部大動脈置換術、虚血性心疾患に対する冠動脈パイパス術、心臓弁膜症に対する人工弁置換術、腹部大大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術などでした。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 0.51 11.68 37.84% 79.11
K1781 脳血管内手術 1箇所 17 1.00 18.29 23.53% 61.18
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 16 5.63 30.44 25.00% 71.13
K1742 水頭症手術 シャント手術 10 5.50 14.80 40.00% 78.00
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術 下垂体腫瘍 - - - - -
慢性硬膜下血腫は主にご高齢者の頭部打撲後、1ヶ月前後が多いのですが、しばらく時間が経過して頭蓋骨と脳との間にジワジワ出血して脳を圧迫する病気です。症状は何となく力が入らず、歩行時ふらふらする、お箸が使いにくい、物を落としやすいなどの症状が出ます。治療は局所麻酔で頭蓋骨に人差し指大の穴を開けて溜まった血液を抜く手術で、入院期間は1週間前後です。
脳血管内手術の対象になる主な疾患は、脳動脈瘤や頸動脈狭窄症、脳梗塞急性期の血栓除去が必要な患者さんです。脳動脈瘤はくも膜下出血で見つかる場合と、脳ドックなどで偶然脳動脈瘤が破裂する前に見つかる場合とがあります。治療は開頭クリッピング術と脳血管内手術によるコイル塞栓術の2通りがあります。どちらの手術方法でも治療可能な場合には、当院では主にコイル塞栓術を行っています。
頭蓋内腫瘍には多くの種類の腫瘍がありますが、良性腫瘍から悪性腫瘍まで治療を行っています。良性腫瘍は症状があるものや無症状でも大きな腫瘍に対しては手術を行い、それ以外の無症状の小さな腫瘍は外来で定期的に経過をみています。悪性脳腫瘍は治療ガイドラインに沿って治療を行っています。
水頭症の原因は、主にくも膜下出血後の水頭症と、原因不明の正常圧水頭症とがあります。治療はどちらもシャント手術を行っています。正常圧水頭症は高齢者に多く、症状は「物忘れ」、「歩行障害(足を広げた、すり足歩行)」、「尿失禁」が三大症状です。アルツハイマー病と異なり、シャント手術を行うとこれらの症状が良くなるのがこの正常圧水頭症の特徴です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 29 0.00 2.76 0.00% 78.21
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3cm以上6cm未満 11 0.00 1.91 0.00% 57.09
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm以上4cm未満 10 0.00 1.90 0.00% 49.30
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6cm以上12cm未満 - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満 - - - - -
手術は皮膚の良性・悪性腫瘍に対して行うものが多く、悪性腫瘍の方が平均年齢も高い傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 247 0.01 2.07 0.40% 75.43
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 37 0.03 3.41 0.00% 64.70
K2686 緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 - - - - -
K2821イ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 縫着レンズを挿入するもの - - - - -
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) - - - - -
眼科では、白内障の手術が80%以上を占めています。
年を重ねるにつれて水晶体が白濁していくことにより生じる疾患のため、平均年齢も高くなっています。
白内障の手術は患者さんの状態によって片眼ずつ、もしくは両眼で行い、これにより平均在院日数が異なってきます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 191 1.41 15.80 39.79% 70.61
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 134 3.10 17.10 79.10% 79.99
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 119 3.34 16.59 92.44% 84.11
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 108 2.10 14.60 28.70% 69.84
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 68 2.21 9.12 23.53% 59.01
大腿骨近位部骨折に対しては患者さんの状態を慎重に評価した上で、骨折部位・骨折形態により骨接合術と人工骨頭置換術を選択しています。
四肢の骨折に対しては骨折型に応じた適切な内固定材料を選択し、ロッキングプレートや髄内釘を用いた手術で強固な固定を行い早期のリハビリ開始を可能としています。
股関節や膝関節における人工関節置換術では、正確な手術手技を実施し術後早期からの歩行訓練や筋力訓練を可能として、歩行機能の改善が得られています。特に人工股関節全置換術(THA)では術後早期の機能回復と脱臼予防を目的として筋腱温存の仰臥位・前側方アプローチ(ALS)で手術を行い、術直後から禁忌肢位などの制限なく生活できるような手技を行っています。
手足のしびれ・痛みや歩行障害、筋力低下など神経障害を呈する頚椎や腰椎の脊椎疾患に対する治療は、以前から数多くの症例の積み重ねがあり、経験豊富な脊椎外科医による脊椎手術を行っています。顕微鏡や内視鏡を用いた低侵襲手術を実践し、患者さんの状況に応じた合併症を起こさない安全な治療を第一に掲げて治療しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 182 1.00 4.03 0.00% 47.94
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 109 0.85 4.02 0.00% 41.46
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 100 2.11 5.52 0.00% 34.78
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 60 2.52 6.02 0.00% 33.60
K867 子宮頸部(腟部)切除術 53 0.96 1.02 0.00% 41.72
当院は周産期医療にも力を入れており、選択帝王切開術だけでなく、ハイリスク症例等に対する緊急帝王切開術も多くなっています。
子宮・卵巣の良性腫瘍に対しても患者さんの負担が少ない腹腔鏡手術を積極的に行い、平均術後日数の短縮に取り組んでいます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 110 1.02 5.21 0.00% 22.28
K3191 鼓室形成手術 耳小骨温存術 29 1.14 2.28 0.00% 41.83
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 28 1.11 2.39 0.00% 53.25
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 24 1.00 3.04 0.00% 58.13
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術) 24 0.96 2.83 0.00% 44.25
耳鼻咽喉科の手術数は例年同様に扁桃疾患(扁桃摘出・アデノイド切除術)が最多でした。副鼻腔炎に対する手術症例増加による内視鏡下鼻副鼻腔手術が増加、聴力改善手術(鼓室形成術)も安定して増加しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 161 0.52 2.58 5.59% 72.57
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 102 1.21 3.97 2.94% 74.54
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 101 1.41 2.75 0.00% 64.11
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 36 1.11 8.33 0.00% 70.78
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 26 1.69 9.54 3.85% 68.85
2024年度に泌尿器科で行った手術で多かったものは、尿管狭窄や水腎症に対して行う経尿道的尿管ステント留置術、膀胱がんに対して行う経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)、腎結石や尿管結石に対して行う経尿道的尿路結石除去術(TUL)、前立腺がんに対して行うロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術、腎がんや腎盂尿管がんに対して行う腹腔鏡下腎尿管悪性腫瘍手術(ロボット支援手術は含まない)の順となっています。
尿路内視鏡手術が多数を占めていますが、ロボット支援手術や腹腔鏡手術といった低侵襲手術も多く、入院期間も短縮傾向となっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹 12 1.08 2.42 0.00% 47.25
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 - - - - -
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径12cm以上 - - - - -
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの) 指(手、足) - - - - -
頻度が少ない症例の分野は多岐にわたり、先天異常、顔面骨折・外傷、各種腫瘍、瘢痕形成、潰瘍、四肢壊死などを取り扱っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K300 鼓膜切開術 14 1.43 3.86 0.00% 1.29
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの - - - - -
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの - - - - -
耳鼻咽喉科との協力で中耳炎に対する治療を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 31 0.20%
180010 敗血症 同一 71 0.46%
異なる 87 0.56%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 280 1.80%
異なる - -
感染症と手術・術後の合併症について、全退院患者に対する発生率を示しています。
当院は地域の基幹病院として重症の患者さんを多くご紹介頂いており、主傷病に付随して各種合併症を発症している患者さんも当院の入院患者に含まれます。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2,054 1,955 95.18%
肺血栓塞栓症はエコノミークラス症候群ともいわれ、特に下肢の静脈血栓が流れて肺の血管に詰まることで呼吸困難や胸痛を引き起こし、死にいたることもある疾患です。寝たきりの方や手術後に発症する事が多く、弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置、抗凝固薬の投与など適切な予防策が必要となります。本指標はガイドライン上、肺血栓塞栓症を引き起こすリスクが「中」以上の手術を受けた患者に対する、予防対策の実施割合を測定しています。
病床数400~599床の病院の全国中央値は92.1%(日本医療機能評価機構 医療の質可視化プロジェクト)で、全国と比較しても遜色ない数値です。令和5年度(91.8%)に比べて向上していますが100%の実施率を目指して取り組んでいます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
4,270 2,668 62.48%
血液培養検査は、菌血症の確定診断や感染症の重症度の指標、起炎菌の検出、抗菌薬の選択など適切な感染症診療を行うための必要な検査です。
また、血液培養検査は、2セット採取することで病原菌の検出感度が上がり、精度の高い結果を得ることができるため、2セット採取を推奨しています。
このデータは、1セット採取が主となる小児科も含めた実施率となっています。
昨年度は、血液培養ボトルが世界的に出荷調整がかかり、検査対象者や2セット採取を制限しています。そのため、今年度は昨年度に比べ、「血液培養2セット実施率」が低くなっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,449 1,280 88.34%
広域スペクトルの抗菌薬の長期使用や過剰使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因となります。
広域スペクトル抗菌薬を使用する前に細菌培養検査を実施することで、感染症の起因菌を特定し、より適切な抗菌薬を選択し、患者さんの治療につなげることができます。
当院は、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が定期的にラウンドを行い、患者さんへの抗菌薬の不適切な使用がないかをチェックし、適正使用の支援を行っています。
昨年度は、血液培養ボトルが世界的に出荷調整がかかり、血液培養採取を制限しています。そのため、今年度は昨年度に比べ、「広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率」が低くなっています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
155,567 233 1.50‰
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的な変化などさまざまなものがあります。本指標は入院患者延べ数に対する転倒転落の発生割合を測定しています。傷害に至らなかった事例についても、発生件数や要因を分析することで予防策につなげるように努めています。病床数400~599床の病院の全国中央値は2.46‰(日本医療機能評価機構 医療の質可視化プロジェクト)で、全国と比較しても低い数値となっています。環境調整や早期離床、早期リハビリテーションなど患者さんとともに予防に努めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
155,567 37 0.24‰
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上は、転倒転落により患者さんに濃厚な治療や処置を必要とする傷害を及ぼした事例の割合を測定しています。傷害が発生してしまいますと患者さんの治療計画や日常生活に大きな影響を生じるため、対策に努めています。病床数400~599床の病院の全国中央値は0.05‰(日本医療機能評価機構 医療の質可視化プロジェクト)で、全国と比較しても低い数値です。環境調整など患者さんとともに予防に努めています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
3,366 3,341 99.26%
予防的抗菌薬とは、手術などの医療行為に伴う感染症の発生を防ぐために使用される抗菌薬のことです。当院では、手術部位感染(SSI)の予防を目的として、手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬の適切な投与を推進しています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
152,674 41 0.03%
褥瘡は長期臥床患者に発生するものと思われていますが、様々な要因が関係しており、年齢に関係なく全身状態が悪くなると数時間でも発生すると言われています。当院は入院時に全ての患者にリスクアセスメントを行い、褥瘡発生率が高い患者には多職種と協働して予防的介入を行っています。全国の一般病院の褥瘡推定発生率は、1.15%(第5回日本褥瘡学会実態調査)と言われており、平均値と比較してもかなり低く高度に褥瘡発生の予防につながっています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
8,716 3,692 42.36%
患者さんの栄養状態が良いか悪いかは、疾患の治癒や予後に大きく影響します。特に高齢者(65歳以上)は多病や栄養状態不良の方が多く、入院するとさまざまな理由から栄養摂取が不足して、さらに悪化する可能性があります。低栄養の早期発見と早期栄養介入が重要であるため、当院では入院する全員に栄養スクリーニング(MUST)を実施し、低栄養のリスクがあればGLIM基準による低栄養診断を行って、栄養管理計画書を作成しています。入院中も多職種が連携して、低栄養を見逃さないようモニタリングを行い、栄養アセスメントを適宜実施して、適切な栄養管理に努めています。
 分母・・・65歳以上の退院患者数
 分子・・・分母のうち、入院後48時間以内に栄養管理計画書を作成した患者数
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
155,567 4,163 2.68%
身体的拘束は、患者さんや他の患者さんの生命や身体を保護するため、緊急やむを得ない処置として行われる行動の制限です。実施により患者さんの人権を侵害することや二次的な身体的障害を生じる可能性もあるため、当院では患者さんに十分配慮して必要最小限に留め、かつ、できるだけ早期に解除するように努めています。本指標は入院患者延べ数に対する身体的拘束実施日総数割合を測定しています。病床数400~599床の病院の全国中央値は8.9%(日本医療機能評価機構 医療の質可視化プロジェクト)で、全国と比較しても低い数値となっています。
更新履歴
2025/9/26
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2024/9/30
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2023/9/27
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2022/9/30
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2021/9/30
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2020/9/30
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2019/9/27
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2018/9/28
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。
2017/9/29
DPCデータに基づく「病院情報の公表」ページを更新しました。