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トピックス小児科トピックス

小児の脱水症

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 脱水症とは


体の成分のうち、水分が欠乏した状態です
嘔吐などで、水分がとれなかったり、発熱や下痢で体から失われる量が増えることにより、水分が不足することで起こります。

小児の特徴
  • 体重に占める水分量が多い
  • 細胞の周りの水分が多い(移動しやすいため、失われやすい)
  • 感染症に罹患することが多いため、発熱、嘔吐、下痢といった脱水症につながる状態になりやすい

小児の脱水症の原因となる病気
水分摂取量の減少
  • 感染症、胃腸炎、口内炎などによる食欲低下
  • 肺炎、気管支炎、気管支喘息などによる呼吸の障害
  • 髄膜炎、脳炎などによる意識障害
  • 心不全、腎不全、肺炎などでの水分摂取制限
体から失われる水分の増加
  • 感染症、アセトン血性嘔吐症、幽門狭窄症などによる嘔吐
  • 胃腸炎による下痢
  • 腎不全、間質性腎炎などによる多尿
  • 発熱、高温、やけどなどによる皮膚や肺からの水分の喪失
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 脱水症が疑われたら


脱水の程度を判断しましょう

脱水の評価
経過 発症後の日数 経口での水分補給の状態 体重の変化
症状 嘔吐、下痢の回数、内容 尿の回数、量(おむつの濡れ方) 熱の経過
目が落ちくぼむ 口、舌の乾燥 皮膚の乾燥


これらの点に気をつけましょう
おしっこが何時間もでなかったり、ぐったりしてきたら受診が必要です。
特に、嘔吐や血便は重大な病気のサインのことがあるので、早く受診しましょう。

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 経口補水をご存じですか


激しい嘔吐、下痢があるときにどうしたらよいでしょうか。(外部へリンク:竹田こどもクリニック
脱水にならないためには、水分を与える必要があります。
さらに、脱水の時、体から失われた物の中には、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質も含まれています。この点にも注意してあげましょう。
嘔吐が続いているときに栄養をあげたいといって固形物を食べさせてもまた嘔吐してしまいます。まず、水分がとれるようになるのが第一です。少しずつ、頻回に分けてあげてください。まず水分と塩分、そして最後にカロリーと考えましょう。水分が入るようになり、食事を食べたがるようになると食事を再開する時期がきたと考えられます。これも、様子を見ながら、増やしてください。
飲ませるものとしては、体のバランスをとってくれるものをあげたいものです。
WHOをはじめとして、下痢などの時の水分投与の指針があり、この中で登場するのがORS: Oral Rehydration Salt(Solution)=経口補水液です。経口補水液には、水分と電解質、糖分などが含まれます。体への吸収がよいとされる浸透圧、ナトリウム、糖質などの配分が示されています。(注意:経口補水療法を行うことで水分の補給、電解質の補給はできますが、必ずしも下痢が早く治るわけではありません)

種類 浸透圧
(mOsm/L)
Na
(mEq/L)
K
(mEq/L)
Cl
(mEq/L)
糖質
(%)
WHO(2002) 245 75 20 65 1.35
ESPGHAN 240 60 20 60 1.6

どんなときに経口補水を行うのが良いのでしょう

  • 急性胃腸炎などの際の脱水症の予防
  • 中等症以下の脱水症の治療

などの場合です

経口補水療法の実施は必ずかかりつけの医師の指導を受けてください。

母乳栄養の場合は母乳を続けてください。
経口補水だけでは脱水を防げない場合もあります。
経口補水を行っても嘔吐して飲めないときや全身状態が良くならないようなときには早めに小児科の先生に相談しましょう。
脱水の原因となった病気の診断と治療を受けることも大切です。

急性の嘔吐や下痢で、次のようなときには必ず早く医師の診断を受けましょう
乳児である(6か月未満または体重8kg未満)
早産の既往、慢性疾患または併発症があるとき
3か月未満の乳児では38℃以上、3〜36か月の乳幼児では39℃以上の熱がある
目で見てわかる血便がある
頻回かつ多量の下痢を含め、排出量が多い
嘔吐が持続している
家族(保護者)がみて脱水症と一致する症状がある(眼のくぼみ、涙の減少、粘膜の乾燥、尿量の減少など)
精神状態の変化がある(易刺激性:びくびくするなど、感情鈍麻:反応が鈍い、嗜眠:うとうとしている など)
すでに投与している経口補水療法がそれほど効かない、家族(保護者)が経口補水療法を行うことができない
MMWR Recommendations and Reports 2003/Vol.52/No.RR-16より一部改変

嘔吐があるときには、少しずつ頻回に経口補水液を与えます。飲ませ方は、ページ下の「飲ませ方のコツ」を参照ください
これによって、水分とナトリウム、カリウムがとれます。
おなかの調子が悪いときには、おかゆにうめぼしといった日本の治療食がありますが、近年では、嘔吐が止まり次第元々食べていた年齢相当の食事に戻す方が腸のために良いという考え方に変わってきました。

経口補水液と一般飲料、スポーツドリンク、ジュースの内容の比較

種類 商品名 浸透圧
(mOsm/L)
Na
(mEq/L)
K
(mEq/L)
Cl
(mEq/L)
糖質
(%)
備考
経口補水液 ソリタT3顆粒 200 35 20 30 3.4 病院で処方
ソリタT2顆粒 250 60 20 50 3.2
OS−1*
(オーエスワン)
270 50 20 50 2.5 医師の指示で
(院内売店)
アクアライト
ORS
200 35 20 30 4.0  
イオン飲料 アクアライト 260 30 20 25 5.0  
ポカリスエット 295 21 20 16.5 6.7  
100%果汁 アップルジュース 730 0.4 44 45 12.0  
ジュース コカコーラ 469 3.0 0.1   

スポーツドリンク(イオン飲料)は電解質が少なく、糖分が多いので脱水の治療には向きません。果汁やジュースもナトリウムが不足し、一方で浸透圧が高く下痢には良くないと考えられます。
* OS-1 特定病者用食品【厚生労働省認可】

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 経口補水液の飲ませ方のコツ


  • コツは、少量を回数多く飲ませることです。もし、お子さまが吐いたとしても、ティースプーンなどを使い、少しずつ根気よく続けましょう。
  • 最初は5cc(ティースプーン1杯)から始めて、これを1〜5分おきに飲ませてください。ただし、あまり嫌がる場合は、無理強いはしないでください。
  • 一度にたくさん飲ませてはいけません。たくさん飲むと吐いてしまい、かえって状態が悪くなることがあります。
  • 母乳(ミルク)栄養児の場合は、母乳(ミルク)を少しずつ、何度も与えてください。その場合、無理に経口補水液に変更する必要はありません。

経口補水療法の手引き(大塚製薬)より一部改変
2010.12.9改訂
2006.10.26改訂
2006.10.18作成 波多江



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 2006/10/18開設  改訂

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